「莫逆家族 バクギャクファミーリア」
関東一の暴走族のトップだった火野鉄も今では反抗期 の息子に見下される中年親父になっていた。
ある日、当時の仲間が不良たちに暴行される事件が起こる。
その背後に、暴走族時代の遺恨を引きず る男の存在が浮かび上がってくる。
鉄は家族同然だった仲間たちを守るために、再び暴力の世界へと身を投じていく…。
ヤンマガの田中宏の同名漫画を実写映画化。
しかし、自分は全くの未読。
そのせいか、人間関係が今一つわかりにくい。
もっと厳密に言えば、わからないでもないが、物語で強調する「家族」という概念が伝わってこないのだ。
この手の不良モノは、一寸の虫にも五分の魂というか、悪い中にも仁義ありみたいなところが前提となっていないとダメなわけで、そうでないと全く共感ができなくなってしまう。
何故なら発生する事件は自業自得なところがあるから。
そう考えると、この映画の場合、前提条件の描き方がうまくないと思う。
どちらかといえば、原作を読んでいることが前提となっているような気がする。
もちろん、原作ファンを取り込むので、それは正解かもしれない。
それはいいとしても、ちょっと展開がもたついており、キレは悪く、途中でだれてくるのが厳しい。
かつての不良というのが、時代的にヤンマガで「ビー・バップ・ハイスクール」が全盛期の頃あたりっぽいのが感慨深い。
出演は、チュートリアルの徳井義実、林遣都、阿部サダヲ。
監督は「青春☆金属バット」「ノン子36歳 (家事手伝い)」の熊切和嘉。
この監督で一般受けは難しそう。
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» 莫逆家族(ファミーリア) [ここなつ映画レビュー]
「昔ちょっとヤンチャやっててさ…」という御仁は掃いて捨てる程いるけど、みんなそこそこでたいしたことなくて、その後の人生も何事もなく普通に生きているのが相場。
で、この「莫逆家族」に出て来る、昔ヤンチャやってた人々は、本物のヤンチャか、といえばう~んな所もあるけど、武勇伝的なもの以上の何かは確かにあった時代と所属で、でも結局は何物になることもなく、底辺やそれに近い生活を送る事に。ヤンチャを本筋の生業としなかった人々の現実的な末路というか。
作品中、何度も「俺達は家族だ」という台詞が出て来るのだ... [続きを読む]
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