「最強のふたり」
事故で全身麻痺となり車いす生活を送る富豪フィリップ。
そんな彼の介護士面接にやってきたスラム出身の黒人青年ドリス。
介護の経験全くなしのドリスは、失業手当をもらうための不採用の証明書をもらいに来ただけだった。
フィリップは、そんな彼を思いつきで採用。
住んでいる世界が全く違う二人だったが、いつしか二人は固い絆で結ばれていく…。
面白い!
今年観たフランス映画の中で今のところ暫定1位。
難病ものとか、身体障害者ものは、押しつけがましいところがあって好きではないが、この映画はそんなことは微塵もない。
だからといって、身障者をバカにしているのかといえばそうでもない。
冒頭の身障者であることを理由に警察を騙そうとするところも、嫌悪感を感じさせるものではない。
ドリスはフィリップに対しての扱いに全く差別感がなく、全身麻痺で首より下が動かないという過酷な状況でさえも、少し視力が落ちたくらいの扱いなのだ。
昔、「典子は、今」を学校で見せられて、どよ~んとした空気になったが、それと真逆で、清々しく、あまり使いたくないが、元気をもらったという言葉がぴったりである。
そして、この手の話だと、ハンディキャップがある方がメインになりつつあるが、この映画は平等な目線で描かれており、健常者すぎるくらい健常者のドリスについても細かに描いている。
実は育った環境に恵まれなかっただけで、きちんとした環境にいれば才能ある人間であることが描かれている。
最初はよくわかっていなかった芸術も、後半になると普通に自然に会話ができるようになっているし、駐車違反をしている人を最初の方は暴力的に注意しているが、後半あたりになると実に穏やかになっており、彼の成長を感じた。
そしてその描き方が自然なのが良い。
アースウィンド&ファイアーの歌も懐かしかったし、劇場の音響だと迫力があって良かった。
主演はフランソワ・クリュゼとオマール・シー。
クリュゼは予告観た時にダスティン・ホフマンかと思ったよ。
監督はエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ。
上映している劇場が少ないとはいえ、大ヒットだそうで、この手の映画は多くの人に観てもらいたい。
そしてつくづく思ったのは何かあった時を考えるとお金は必要だということ。
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