「ギリギリの女たち」
自分の中で2009年のダメ映画日本映画部門第1位で、その後も1位の位置をキープしている「白夜」。
申し訳ないが、監督の小林正広は自分の中では、ラース・フォン・トリアーと並ぶ要注意人物だ。
唯一、「春との旅」は良かった。
そんな好きでもない監督の映画を観るのは、映画ファンの矜持というやつと、ひょっとして面白い物が出てくるかもしれないという、宝くじ的なものがあるからだ。
「ギリギリの女たち」は、震災後の気仙沼を舞台にして、ニューヨークから帰ってきたダンサーの長女、東京に住む次女、家を守る三女が15年ぶりに再会し、お互いの本音をぶちまける……という話で、最大の話題は冒頭35分ワンカット、全編28カットで撮影されたということだろう。
まず、偏見だが自分は長回しが嫌いだ。
特に限りなく固定に近いものは特に嫌いだ。
長回しでもカメラが動いて絵を作っているのは好きだ。
この映画はカメラが左右に動く程度で、出演者が頑張って演技をしているのを撮影している。
偏見だが、何故か長回しは過剰評価されすぎている。
もちろん、そういう表現もあることはわかるが、基本観ていて面白くない。
よく、演劇やっている人達が固定カメラで自分らの演目を撮影しているが、この映画もそれと同じだ。
特に冒頭35分は役者さんの演技も演劇っぽい。
おそらく、監督の演技指導や演出でこういう形になったのだろうが、役者さんが構えている感じがする。
特に長女役が物凄く演劇っぽい感じがして、他の二人より少し浮いている感じがする。
本当はもっと生々しく臨場感を出すはずの長回しだったはずが、意外に効果が出ていない。
時々、物凄く説明っぽくなるのだ。
冒頭35分ワンカット、全編28カット。
はあ、そうですか……としか言えないし、そこが売りなの?
おそらく好き嫌いが分かれる映画で、自分は好きではない。
震災を題材にしていることについてはノーコメント。
もちろん、これは個人の感想であり、世間の評価は高いだろうから気にしないでくれ。
出演は渡辺真起子、中村優子、藤真美穂。
だけど、「白夜」より遙かにマシなので良しとする。
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