「夢売るふたり」
東京の片隅で小料理屋を火事で失ってしまった夫婦。
店を再建するための資金集めのため二人のとった方法は結婚詐欺だった…。
夫婦お互い納得ずくの結婚詐欺のはずだが、男は後ろめたさを感じ、女はわかっていても嫉妬に近い何かを感じている。
正直、演じている阿部サダヲが女を手玉に取るようには思えない。
顔だってイケメンから程遠い。
ところが、女性の微妙な心の寂しさにタイミングよく入り込んでくるところが妙に説得力がある。
確かにホストクラブのナンバー1は、イケメンでもなくマメな男だとも聞く。
しかし、阿部サダヲよりも妻役の松たか子(B85-W59-H85)の吹っ切れたキレた演技が凄まじく、女の情念がひしひしと伝わってくる。
「ヴィヨンとその妻」以降、彼女の女優路線は大きく変わってきている。
そして、今の彼女が見ていて遙かに面白い!。
この映画の最大の面白さは松たか子によるものが大きい。
そこまでやるか?みたいなこともやっており、もはやそこに「ロンバケ」時代の彼女はいない。
監督の西川美和は、女性監督だからなのか、女性のいやな部分や痛いところ、さらにはしたたかなところも、これでもかと描いている。
ただ残念なことに、それ故に賛否が分かれるのは致し方なく、さらにオチのつけ方も議論を呼びそう。
自分はひしひしと感じる情念の怖さが面白くて良かった。
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