「Virginia/ヴァージニア」
今でこそそんなことはないが、自分の中ではスティーヴン・スピルバーグ=娯楽映画の王様というイメージがあって、「カラーパープル」を監督した時に、アカデミー賞もらいたいために媚びた映画を作っている!!…と憤慨していた。
もちろん、実はそれは自分の思い込みで、スピルバーグは娯楽だけでなく何でもできる映画作家であることは言うまでもない。
実は同様にフランシス・フォード・コッポラも自分の中では「地獄の黙示録」の監督というイメージが強い。
だから、「ワルキューレの騎行」をBGMにヘリが飛んで、ナパームでドッカンドッカン、ジャングルを焼き尽くして、マーロン・ブランドが動かなかったりする派手な映画を監督している人と思いこんでいるところがあるので、どうしても地味な小さい映画だと違和感があるのだ。
もちろん、これは完全に間違った思い入れで、コッポラが毎回「地獄の黙示録みたいな映画を監督しているわけではない。
当然、普通(?)の映画も監督している。
そして、傑作も多い。
この映画は、訪問先の田舎町で少女殺人事件に遭遇した作家が、夢に現われたエドガー・アラン・ポーと謎の少女に導かれ事件の真相を解明していく……というもので、実はこの映画を監督しているのが、コッポラだとは知らず、あやうく見逃すところだった。
上映時間も89分程度で、話もパッと聞く限り昔の同時上映についてそうなホラー映画っぽい感じだ。
何故?
ナパームでジャングルを焼いているような映画を作っている監督が?(←偏見)
と、思って調べてみたら、インディペンデント・スタイルで作ったらしい。
ちょっと納得。
パートカラーとか駆使して、実は伝統ある怪奇映画スタイルで、個人的には大満足。
いわゆる大騒ぎのホラーではなく、様式美を楽しむものだと考えれば、その昇華の仕方などはとても良い。
さらに出演者がヴァル・キルマーやエル・ファニング……と実は意外に豪華であり、実はインディペンデントのスタイルだけで、それなりの大作規模だったりするのだ。
しかし、ヴァル・キルマーの変貌ぶりは凄まじく、もちろん役作り……だと思いたい。
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