「この空の花 長岡花火物語」
とにかく大林宣彦監督作品は独自の作家性があり、それ故に彼の演出がハマる場合とハマらない場合の差が激しすぎる。
例えば今でも熱狂的信者の多い「転校生」や「時をかける少女」は、その独自の演出が見事ハマったものである。
一方、「漂流教室」のように原作と彼の独自の演出が合致せず、裏目に出てしまうことがある。
ここ数年の作品は、独自の演出は相変わらずだが、手堅くまとめている感が強く、大きく残念なものは少なくなっている。
この映画は、新潟県長岡市で毎年8月に開催される花火大会を題材に、いくつもの苦難を乗り越えてきた長岡市の歴史と人々が花火に託した想いを描いている。
とにかく、大林宣彦監督作品の集大成ともいうべき映画で、今まで彼の映画に出演してくれた役者の皆さんが、これでもかとばかりあらゆるところに登場!
さらには演出も劇映画の表現方法だけでなく、舞台やドキュメンタリーの要素を盛り込み、特殊効果はもちろん、テロップやイメージ映像を駆使し、あまりにも細かくそれでいてきちんと流れのあるカット割りと編集することにより圧倒的な情報量と映像の迫力を出している。
それだけでもお腹一杯なのに、時間軸が目まぐるしく動きまくり、セリフの多さも尋常でない。
もはや、やりすぎとかの域を越えてしまい、観ている人をトランス状態にしてしまうものがある。
何がとか理論的に考えるものではなく、感じる映画なのだ。
だから、何故、一輪車に乗っている少女がいるのか?とか、色々な解釈ができてしまうのだが、あえて深読みするのも一興かも。
出演は、今までの大林映画の脇役に出てくる人を思い出せば、その人は出ている可能性があるのであえて書かない。
原爆の話がわかりやすくて勉強になったのと、一輪車少女の動きがあまりにも凄いのが印象的!
だけど、やっぱり上映時間160分は長すぎだよ~。
いくら面白くても途中でダレてきた。
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