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2012年8月25日 (土)

「るろうに剣心」

Rurounnikenshin 昔は漫画が原作のアニメ化はかなりの確率でがっかりすることが多かった。
 何しろ原作の絵を全く再現することができないからだ。
 似ても似つかない絵になってしまうのだ。
 例えば、「うる星やつら」のTVアニメは押井守のセンスが全開で面白いのだが、残念ながら高橋留美子の絵を再現はできていなかった。
 今は技術の発展により、原作の絵を再現できるだけではなく、へたしたら原作よりもアニメの方がよくなっている場合もある。
 それでは実写化はどうか?
 正直、アニメ化より地雷が多く、それは今でも変わっていない。
 特に「月曜ドラマランド」は、特に悲惨だった。
 自分が原作のキャラそっくりで、作品としてよくできていたと思ったのは「嗚呼!花の応援団」くらいだ。
 そんなわけで、漫画の実写化はかなりのリスクが伴うが、それも含めて話題だと捉えるなら、これからも続くであろう。
 「るろうに剣心」は今更説明するまでもなく、少年ジャンプの人気漫画で、アニメ化もされている。
 アニメもそれなりにファンがいるのは、原作の絵を違和感なくアニメ化しているからだろう。
 だからこそ、実写化となると物議を醸し出すのだ。
 もちろん、原作に思い入れはあるのはよくわかるし、比較してしまうのは仕方ないだろう。
 それよりも、別物として映像表現でいかに原作をアレンジしているかを楽しむ方が面白い。
 例えば、アメコミヒーローの映画化は、原作は正直無茶苦茶面白いとは思えないが、原作の要素を生かしつつも映像化していることからもわかるだろう。
 原作原理主義であれば、観なければ良いのだ。
 今回の「るろ剣」の実写映画化は原作と比べてどうこう考えるのも楽しみの一つだが、あえてそれを考えない。
 和月伸宏の漫画をベースにした別の映像作品として観る。
 そうすると、実は意外に悪くない。
 いやむしろ面白い。
 特にアクションは、伝統的な時代劇のチャンバラとは違う。
 だからといって「SFサムライフィクション」のようなごまかしたような演出でもない。
 漫画やアニメの構図や様式を取り入れて、スピード感がありダイナミックに見せている。
 昔ながらのチャンバラが好きな人は抵抗感があるかもしれないが、自分は今後の新しい世代の取り込むことはもちろん、時代劇のアクションの新しい方向性の一つの可能性を感じた。
 そして、主演の佐藤健が上手い。
 パッと見は好青年、しかし、かつては幕末の暗殺者で、時々その片鱗が見え隠れする複雑な役をうまく演じている。
 そして、動きにもキレがある。
 もちろん、「仮面ライダー電王」を見ていれば今更のことなのだが、久しぶりに見るとその芸達者ぶりを改めて感じる。
 それに比べると武井咲(B76-W58-H82)は残念感が漂っている。
 一方、蒼井優(B78-W64-H85)は、すぐに彼女とわからなかった。
 悪役の香川照之の怪演ぶりは見事で、一昔前なら間違いなく竹中直人がやっている可能性は大きいが、香川が竹中みたいにならないように切に願う。
 監督は「ハゲタカ」の大友啓史。
 この出演者とスタッフなら続編希望!

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