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2012年8月12日 (日)

「桐島、部活やめるってよ 」

Kirishima 成績も優秀でバレー部のキャプテン、さらには女にモテる。
 まさにリア充の頂点の高校生・桐島。
 そんな彼が突然の退部のニュースに校内での動揺が広がる…。

 大変面白い!
 桐島を中心に学校内の複雑な人間関係をぞれぞれの視点で描いていく。
 特筆すべきは皆の話題の中心である桐島が本編に全く登場しないことだろう。
 いわゆる彼はマクガフィンであり、それこそ「M:i-Ⅲ」のラビットフットみたいなものであり、物語を動かす小道具でしかない。
 それでも、不在なのにインパクトはあるし、その存在感は大きい。
 そして、彼を中心に学校内のヒエラルキーが描かれている。
 遙か昔から、運動ができる奴だったり、イケメンだったり、美女グループだったりが”上”で、当然、文化系やオタクは”下”だ。
 本来なら桐島が部活をやめた話題なんか、彼の関係するバレー部や友人関係だけで終わってしまいそうなものである。
 しかし、事態はそう簡単でなく、桐島と関係ないような生徒まで影響を与えていく。
 この映画は桐島を中心にした集団劇であり、学校の中のひつよう最小限の人間をうまく描いている。
 観ている人は、そのうちの誰かに共感をし、時には甘酸っぱかったり苦かったりする想い出を反芻するのだ。
 個人的には映画部に共感してしまう。
 別に顧問がどう言ってこようが、好きな映画を作りたかったら部活じゃなくても作ればいいと思うのだが、そこが高校生の狭い世界なのだ。
 まあ、それ以前に8ミリフィルムで音の同録は手間がかかるわりには効果が少ないので、アフレコをオススメするのだけどね(笑)
 自分と同じ趣味の映画を観ているからといって憧れに似たものを感じるのも、ありがちだけど、だからといって彼女とどうにかなることはないのが常だ。
 だからといって、ヒエラルキーの”下”にいる彼らを決してバカにしていないのが、この映画の良いところかな。
 出演は、神木隆之介、橋本愛(B80-W58-H82)…など当然、若手中心だが、橋本愛ってすっかりホラー御用達女優になりつつあるのかな?
 監督は「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「パーマネント野 ばら」の吉田大八。
 青春映画なんだけど、よくTVシリーズでよくありがちなのを期待していくと肩透かしなので注意!
 だけど、じっくり観ていると心に響くものがある傑作だと思う。

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» 「桐島、部活やめるってよ」 それでも俺たちはこの世界で生きていかなければならないのだから [はらやんの映画徒然草]
高校生くらいになると、幼い時のように無邪気に夢を見ることはできなくなってきます。 [続きを読む]

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