「アニメ師・杉井ギサブロー」
杉井ギサブローの足跡と知られざる素顔に迫るドキュメンタリー。
杉井ギサブローといえば、自分が真っ先に思い出すのが「銀河鉄道の夜」だ。
もちろん、それ以外にもテレビアニメの創世記から関わっているわけで、彼のアニメ仕事の歴史=日本アニメの歴史と言える。
この映画を物凄く大雑把に分けると、虫プロの歴史、「銀河鉄道の夜」のメイキング、「グスコーブドリの伝記」の宣伝の3つのパートで構成されている。
1958年に東映動画に入社し、日本最初の総天然色長編漫画映画「白蛇伝」に参加し、水のゆらぎを担当して、大塚明夫に3回ダメ出しを食らったらしい。
個人的には大画面で「白蛇伝」の一部を大画面で見ることができて満足!
虫プロの話になると、今のアニメの賃金が安いのは手塚先生のせいということが定番になっているが、そのことについての反論があったのが興味深い。
しかし、当時は思わなかったが「鉄腕アトム」ってあんなにカクカクした動きだったっけ?
手塚先生は漫画の天才ではあったけど、アニメに関しては微妙な感じがした。
というか、やっぱり漫画の片手間では無理じゃない?
「悟空の大冒険」は今見ても全く悪くない。
「これって中国が舞台じゃないよね」みたいな証言は、自分も確かにそう思っていた(笑)
「どろろ」は時代が早すぎたかなあ。
「タッチ」はあまり興味なかったので軽くスルーだ。
映画は観にいったけどね。
「銀河鉄道の夜」は今観ても傑作だったけど、その後の「源氏物語」をすっかり忘れていた。
確かにあれはダメだったと思う。
当時の関係者の証言が興味深いが、今考えると当時のヘラルド映画は先見の明があったような気がする。
実は杉井ギサブローの話というより、アニメの歴史の一部を知る意味では極めて貴重な映画で、そして改めて気づくのは実はアニメの歴史は意外に長くない。
少し残念だったのはインタヴューを雑音の多い街中で撮ったり、雨の中で撮ったりしていることで、色々と考えがあったのだろうけど、もう少しきちんとした聞き取りやすい状況で収録してほしかった。
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