「ムカデ人間2」
ホラー映画は、それなりに評判が良かったり興行成績が良かったりすると、続編ができてしまう。
何しろ基本設定がシンプルなので、どれだけでも話が膨らませることができるのは、往年のシリーズ物を見れば明らかだ。
そして新作ができれば被害者の数と残酷さのインフレ状態に突入してしまうのもお約束だ。
「ムカデ人間2」の話を聞いた時、やっぱりできると思った人も多いはず。
後で調べたら3部作だそうな。
まあこれも、リセットやらリブートやら、タイトルに新とか新たなるとかつけて、新作ができるに違いない。
当然、新作はつながっている人間の数が増えていくだけだろうと思ったら、その通りだった。
映画「ムカデ人間」を愛する男が、DVDを繰り返し見るだけでは飽きたらず、とうとう自分も実際にムカデ人間を作りたいという衝動に駆られるようになっていく…というわけで、古い貸倉庫に人々を拉致ってくるのだが、今回の数が12人。
前作が物凄い医療知識を持っているのにもかかわらず、それを人をつないでみたいという意味不明な欲望に使うという、正にマッド・サイエンティストの才能の無駄遣いの話だった。
今回は駐車場の管理をしている不細工な男で、ムカデ人間を作るといっても、医学的知識は全くなく、口の中の歯を全部抜いたり、口と尻を釘やホッチキスで強引にくっつけたりしているだけなのだ。
つまり前作はまだ無理すれば怪奇映画の様式があったが、この映画はひたすらグロいだけであり、全く救われない。
モノクロの映像が逆にグロさを際立たせている。
もしこの映画をデートに使ったら雰囲気が悪くなることは言うまでもない。
主演のローレン ス・R・ハーヴィーは、ハゲ、チビ、デブと見事に揃った気持ち悪さで、CGではなく、本当に実在するのなら、使い勝手の悪い俳優かもしれない。
正直、気分が滅入る映画なのだが、ここまで徹底していると逆に清清しいものがある。
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