「トータル・リコール」
1990年にポール・ヴァーホーヴェン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「トータル・リコール」を初めて観た時は寺沢武一先生の「コブラ」のパクリだと思ったが、原作はフィリップ・K・ディックの小説で、「コブラ」より前なんだけどね。
確かにディックの小説の映画化と考えるとちょっと微妙だが、シュワルツェネッガーのスター映画として考えると悪くないし、ヴァーホーベンのキワモノ演出が弾けていて面白い。
今回の再映画化の話は相変わらずハリウッドもネタがないことを実感するのだが、20年以上前の作品を今風にどうアレンジするかが興味が出てくる。
自分はオリジナル絶対信者ではないし、それはそれとして置いておいて別物として考えるのはありだと思っている。
しかし、当然前の作品と比べてしまうが、再映画化はそういう楽しみ方もありだろう。
世界規模の戦争後、地球で人類が住むことができる地域は限定され、裕福なブリテン連邦と貧しいコロニーという二つの地域に分かれて暮らしていた。
退屈な 日常生活をごまかすためには酒と、刺激を求めてリコール社の人工記憶を買いに行くことだけだ。
コロニーに住む工場労働者のクエイドも、毎日の仕事に嫌気がさして人工記憶センターのリコール社を訪れる。
しかし、彼の記憶が書き換えられようとした時に、ブリテン連邦の 連邦警察官の襲撃を受ける。
しかし、何故か意識せず、今まで知らなかった戦闘能力で撃退、家に帰ると妻のローリーに襲われる。
実は今のクエイドは 記憶を消され、新しい記憶を植えつけられただけで実際には存在していない…というローリーの話が信じられないまま、逃げる先で出てくる数々の謎メッセージを読み解き、やがてメリーナという女性に出会うのだった……。
「ブレードランナー」の世界でジェイソン・ボーン・シリーズを作りました~みたいな感じで、オリジナルの完全リメイクでもなく、新しく再構築したような感じ。
正直、「トータル・リコール」のタイトルではなくてもいいような感じだ。
だけど、全編アクション盛り沢山で面白い!!
よくよく考えてみると、1990年版はアクションが多いわけでもないのだけど、シュワちゃんの存在そのものが最強なので、アクション盛り沢山に思えてしまうのかもしれない。
今回の主演はコリン・ファレルだが、一般人だけど実は物凄い戦闘能力を持っているという設定には説得力はあると思う。
1990年版のシャロン・ストーンの演じていた役を「アンダーワールド」のケイト・ベッキンセイルが演じている。
とにかく彼女の演じている鬼嫁(笑)が執拗に主人公を追いつめるのが最大の見せ場で、さすがにアンダー・ワールドのセリーンに追いかけられたら逃げきれない感じがする。
別に1990年版を観ていなくても大丈夫なのだが、オリジナルファン向けのサービスもあって、ちゃんとオッパイ3つの女性や、空港の2週間おばさんも出てくる。
オッパイ3つの女性が出てくると必ず手が3つあれば…と言っている人がいるのだが、両手と口を使うことを何故考えないのか?
残念ながら火星に行かない。
そのため、最後のアクションの火星の空気を取り戻すみたいな、わかりやすい切羽詰まった感じはなかったのが惜しい。
監督は「ダイ・ハード4.0」のレン・ワイズマン。
とにかく、これはこれで楽しめたので良かった。
観た後に何も残らないかもしれないが、この映画そのものがリコール社の人工記憶みたいなものっつうことで。
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