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2012年7月20日 (金)

「少年は残酷な弓を射る」

We_need_to_talk_about_kevin 自由奔放に生きてきた作家のエヴァだが、妊娠を機にそのキャリアを捨てざるおえなかった。
 生まれてきた息子のケヴィンは生まれた頃から反抗的で、やがて成長し、とんでもない事件を引き起こしてしまう…。

 予告編を観る限り、気合いの入った反抗的な息子の話で、発言小町に出てきそうな悩み事を再現ドラマにしているだけの映画だと思っていた。
 ところがいざ、映画を観てみると、確かに気分がブルーになってしまうし、不愉快極まりないのだが、最後まで目が離せない。
 認めたくないが、面白いのだ。
 もう一度観たいとは思わないが、面白いかどうかと聞かれたら面白いと答えざるおえない。
 内容が過激でグロいはずなのに、その決定的なところは見せない。
 いわゆる想像させつってやつだ。
 もちろん、そんなのは今まででも沢山あるのだが、さらに時間軸を入れ替えて情報が細切れに出てくる。
 それらの全貌が明らかになっていくことにより、状況がわかってくるじわじわとした怖さがあるのだ。
 そしてその怖さもホラーとは違い、母親のにとっての実の息子というのが、あまりにも現実にありそうで怖さ倍増である。
 女性はどれだけ頑張ってキャリアを築こうが、妊娠をしてしまうとそれらの何かを確実になくしてしまう。
 もちろん、子育ては大切だし責任も生じるのだが、それでも守るべきなのが子供である……はずなのだが、その子供にどこまでも嫌われていたらどうしようもない。
 一方では、この映画の場合、子供ができたばかりに今までのキャリアを捨てた女性であることから、潜在的に子供を憎んでいる可能性もあり、二人の間は親子にもかかわらず深い溝が存在するのかもしれない。
 一見俗っぽい話なのに、最後まで目が離せないのは、演出の妙だろう。
 出演は母親役にティルダ・スウィントン、息子役をエズラ・ミラー。
 エズラ・ミラーはいわゆる美少年なので、人気が出そう。
 「ロードショー」の人気男優部門なら急に登場しそうなタイプ。
 監督はリン・ラムジー。
 是非ともこの映画の子供育成ゲームを作って欲しい。
 かなり難易度が高いだろうけど(笑)

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» 少年は残酷な弓を射る/We Need to Talk About Kevin [LOVE Cinemas 調布]
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