「メリダとおそろしの森」
王女のメリダは弓矢を手に野山を駆け回るのが大好きで、家のしきたりや伝統に反発を覚えていた。
王女としての心構えや立ち振る舞いを口うるさく指導する母親とはぶつかりあっている毎日。
ある日、メリダは森の中で鬼火に導かれて魔女の家にたどり着く。
魔女に運命を変えてもらうようにしてもらったメリダだが、願いはかなったものの、安泰だった王国は滅亡の危機を迎えるのだった…。
今までピクサーの映画はハズレなしだと思っていたが、これが初のハズレ作品になってしまった。
大変つまらない。
いや厳密に言うと当たり障りが無く面白みが全くないのだ。
まるでピクサーなしでディズニー単独で作ったような感じだった。
つまり凡庸であるということになってしまう。
根本的に話がつまらない。
しきたりや伝統に反発するお転婆(←死語)のお姫様という設定に新鮮味が全くない。
ピクサー史上初の女性主人公ってそんなものドヤ顔で売りにされても困ってしまう。
主人公のメリダの言うことややっていることは独りよがりであり自分勝手でしかなく、物語の中で発生する事件は全て彼女が起こしているので、観ていて全く共感ができず、居心地が悪くてたまらない。
どう考えても母親の言うことの方が正しい。
王国に限らず、一般社会の世襲制のオーナー会社に例えてみれば、地位が約束されている分責任があるのは当然であり、従業員に対しての責務を果たすのが当然である。
もちろん、これは大人目線であり、子供目線とは違うのだが、作品としてはどちらにも理解と共感ができるものでなければいけない。
ところが、この映画に関してはステレオタイプであり、プラスαの要素が全くない。
せめて「風の谷のナウシカ」を見て勉強しろ。
さらに話があまりにもこじんまりとしており、壮大さがない。
国家滅亡の危機という割りには緊迫感がないのだ。
同じような感じだと「ヒックとドラゴン」の方が遥かに面白い。
技術的にはメリダの髪の動きなど物凄く手間隙がかかっているのだが、逆にアニメ的表現の面白さが少なく、ピクサーのアニメってこんなもんじゃなかったはず。
全体的にジブリの「崖の上のポニョ」を観たようなガッカリ感が漂っているのだ。
この映画の最大の話題が日本語吹替版でメリダ役をAKB48の大島優子(B82-W55-H81)が担当していることで、宣伝としてはうまいと思う。
当然賛否が分かれるのも想定範囲内だろう。
本職声優以外のタレントの声の起用を嫌う人がいるが、自分はあまり気にならない。
今回の大島はまあそれなり。
それよりも話がつまらなかったことの方が辛いよ。
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