「エイトレンジャー」
こ、これは真剣つまらない。
2035年。日本は度重なる天変地異、経済危機、超少子高齢化、人口減少、治安の悪化などの理由により、地方都市は荒廃し、強大なテロリストがははびこっていた。
略奪や誘拐が横行する八萬市(エイトシティー)は、治安悪化に伴い、街の平和と市民の安全を守るため、自警団“ヒーロー協会”を設立していた。
しかし街の治安を守るエイトレンジャーは、問題を抱えたやる気ゼロの男たちの集まりだった…という話で、機能しない警察とヒーローの話というと、同じ時期に公開された「ダークナイト ライジング」と比べてしまいたくなるのは人情だ。
もちろん、制作予算も違うし方向性が違うので比べる方が野暮なのだが、「ダークナイト ライジング」がヒーローのあり方についてとことんつきつめているのに、この映画はとりあえず上っ面をなめただけ。
いわゆるかっこいいヒーローとは違う、情けないヒーロー、もしくは現実的で生活臭が漂うヒーローを描いているようなのだが、大変中途半端。
これだったら「非公認戦隊アキバレンジャー」の方が遥かに面白い!
おそらく制作側もそんなことは重々わかっていて、適当に小ネタの笑いを盛り込んで真剣ではないことを前面に出している。
ところが、その小ネタの笑いが全く面白くなくて、ほとんど滑りっぱなし。
2035年の日本の状況設定も正に出オチ状態で、言うほど物語に生きていない。
正確にいえば、テレビで見ている分にはいいのだけど、金払って劇場で観るとかなり辛いものがある。
つまり、この映画はテレビの深夜ドラマで見ている分には全く問題ないのだが、劇場で金払って観る域には全く達していないのだ。
せっかくの関西出身の人気アイドル・グループである関ジャニ∞の映画初主演作がこんなのでいいのか?
確かに全員の個性を手っ取り早く出そうとしたら、この手の話だろうけど。
共演の舘ひろしもこんなのに出てほしくなかった。
監督は「金田一少年の事件簿」や「スシ王子」などジャニーズ映画御用達の堤幸彦。
正直、堤幸彦はテレビドラマは面白いのに、映画になると何故かつまらない。
テレビと映画は同じようで同じでなく、彼の場合、テレビではOKでも映画では情報量が足りず薄く水増ししているだけになっているのだと思う。
おそらくこの作品もテレビドラマだったらもう少し面白く見ることができたはず。
まあそれ以前に今更的なネタで新鮮味は全くないんだけどね。
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