「アーティスト」
21世紀になってサイレント映画がアカデミー賞作品賞をもらうとは!!
いや21世紀だからこそ、逆に新鮮なのかもしれない。
もっというと、米国アカデミーなのにフランス人監督でフランス人俳優が出演だそうな。
ある意味、米国アカデミー賞の懐の深さを感じる。
もちろん、裏にどんな事情があろうともだ。
1927年のハリウッドで、サイレント映画のスターのジョージ・ヴァレンティンは、新新人女優ペピーと出会う。
ジョージのアドヴァイスをきっかけに出演作が増えていったペピーは、やがてトーキー映画のスターへと駆け上がっていく。
一方、サイレントにこだわるジョージの人気はめきめきと陰りを見せていく……。
昔からハリウッド映画は映画創世記あたりのネタは評判が良い。
同じ時期にアカデミーの候補になったスコセッシの「ヒューゴの不思議な発明」も映画初期のネタだったしね。
サイレント&白黒映画であるだけに、あまり複雑な話は難しい。
いやだからこそ、脚本と演出に相当の技量がいるのだ。
しかし、この映画は見事それらをやりとげてしまった。
あまりにもシンプルであるのに、いやシンプルであるからこそ登場人物の気持ちがストレートで伝わってくる。
古典的な映画だが、撮影技術は最新であり、今の技術でモノクロ&サイレント映画を作るとこんな風になりますよという例でもあるのだ。
いやはや、これは素晴らしい。
アカデミー賞を受賞できたのも当然だといえる。
出演はジャン・デュジャルダンベレニス・ベジョ。
そうはいいながら一番凄いのは劇中で主人公の愛犬を演じたタレント犬アギーの名演だな。
監督は「OSS 117 私を愛したカフェオーレ」のジャン・デュジャル
えええ、OSS117ってまだ映画化してたことに驚き!
でも日本では全国公開してないんだよなあ。
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