「コーマン帝国」
コーマン…なんて隠微な響きなんだ…。
と、思っているのは関東地方の人だけかもしれないが、結局、ロジャー・コーマンの話になると、絶対に脱線してしまうんだよね(中学生かっつうの)
今更言うまでもなく、ロジャー・コーマンは、B級映画の帝王であり、監督作50本以上、プロデュース作550本以上、さらには今でも現役であり、そのほとんどの作品は黒字であり、評論家の評価は極めて高くないが、映画をビジネスと考えた場合、かなり優秀な人なのである。
この映画はロジャー・コーマンの人生を追うドキュメンタリーだ。
映画は何故か芸術的なところばかりがクローズアップされるが、その本質はビジネスであることを忘れがちだ。
たった1カットのためにフィルムを膨大に使ったとか、物凄いセットを作ったとか、そういう話がクローズアップされ、間抜けな自主映画作家が影響されて、段取りが悪いのや何も考えていないのを、同じだと思ってしまう。
しかし、映画も儲かってナンボだし、経費は安く儲けは多くは他のビジネスと何ら変わりない。
ここで勘違いしてはいけないのは、経費を安くは意外に簡単なのだが、黒字を出すというのは難しい。
黒字=それなりの動員があるということであり、それなりに面白いということなのである。
確かにロジャー・コーマンの映画はとことん安っぽい。
それでもドキドキワクワクするものがあることも確かで、この胡散臭いところも映画の楽しみの一つだ。
ついつい「スペース・レイダース」とか観にいって、唖然としたけど嫌いになれない。
彼の作品に関係する映画人は多く、ジャッ ク・ニコルソンやシルヴェスター・スタローン、マーティン・スコセッシ、ロン・ハワード、ジョナサン・デミ、ジェームズ・キャメロンとか名前だけ聞くと一流クラスが勢ぞろいだが、一流になる前という時間軸の注釈はいるのは言うまでもない。
彼の映画が衰退してきたのが、「ジョーズ」や「スター・ウォーズ」がヒットしたからというのは、議論になるところだが、確かに普通に考えればキワモノ映画なのに、世界的にヒットして、その後の流れが変わっていったのは要因としてあるかもしれない。
逆にそれも彼の功績があってこそである。
どちらかといえば、ロジャー・コーマンの人物ドキュメンタリーでもあるけど、ビジネス映画として見る方がもっと興味深いものがある。
参加してます。よろしくで~す
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