「貞子3D」
「リング」は確かに怖かった。
演出もさることながら、呪いのビデオの映像が感覚的に怖いものがあった。
劇場で叫び声が響き、へたするとそっちの方が怖かった。
さらには物語も面白く、助かるための時間との競争や愛する者のため、何が何でもやらなくてはいけない状況が緊迫感を生み、稀にみるホラーの傑作であり、その後の日本映画のホラーの形を作ったと言っても過言ではない。
当然、ヒットしたら続編ができるのは当たり前だが、残念なことに続編を作れば作る程面白くなくなっていくのも当たり前で、新作ごとにどうしようもない完成度になっていく。
これはハリウッドリメイクも同様で、どうしても日本独自のねっとりした感じが出ないのだ。
今回は3Dという新しいアイテムが出てきたので久しぶりにシリーズ復活!
21世紀なので、さすがにVHSの呪いのビデオではなく、ネットの動画になっている。
その動画もニコニコ動画というのが今風だ。
ニコニコ動画のある生放送を見た人間が全員、同じ時刻に死亡し、サイトの管理者も死亡。
放送終了後も、その動画がウェブ上にアップロードされ続け、見た人は謎の死を遂げてしまうという話で、テレビからPCのモニター、果てはスマホからも貞子が出てくるというもの。
そういえば、ハリウッドリメイクの「リング」の続編が、あらゆるモニターから大量の貞子が出てくる企画があったらしいが、それに近いものがある。
さらには3Dにすることにより劇場のスクリーンから貞子が飛び出すことにより、物語を体感してもらおうという企画だ。
ところが、残念なことに見事につまらない。
自分は怖い映画は苦手だが、つまらない映画はもっと苦手だ。
何が残念かというと、呪いの動画が全く怖くない。
やっぱりあの何かよくわからないが怖いと思わせる映像くらいの怖さがないとダメだ。
それにニコニコ動画を見て死んだ人が5人って、どんだけ少ない閲覧数なんだよ。
そして肝心の貞子も「スターシップトルーパーズ」のバグみたいになっているし、最後のオチもなんだかなあだし、そもそもヒロインが狙われる理由があまりにも唐突というか説得力がないし、あまりにも都合が良い。
ご都合主義は色々なところに出ていて、ヒロインがいつのまにか棒術の達人になっているとか、言い出したらきりがないくらいツッコミ所満載!
何よりも致命的なのはホラーなのに失笑する箇所は多いのに、怖いところが何もない。
怖いと思われる箇所も音で驚かせているだけなのだ。
見所が主演の石原さとみ(B82W58-H82)がかわいいだけであり、これは「プリンセストヨトミ」の見所が綾瀬はるか(B88-W61-H91)の乳揺れだけなのと同じくらい少ない。
監督が「ハンサム★スーツ」「高校デビュー」の英勉なので笑えるのは当然なのか?
3Dは思った以上に立体感はあったが、話がつまらないとどうしようもない。
そう考えると昔の方が今より技術は劣るけど遥かに怖かったことを思い知らされた。
参加してます。よろしくで~す
« 「ロボット」 | トップページ | 「キラー・エリート」 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 「A Film About Coffee(ア・フィルム・アバウト・コーヒー)」(2016.01.06)
- 2015年映画雑感(2016.01.05)
- 2015のダメ映画②(2016.01.04)
- 2015のダメ映画①(2016.01.03)
- 2015年日本映画ベストテン(2016.01.02)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「貞子3D」:
» 貞子3D 監督/英 勉 [西京極 紫の館]
【出演】
石原さとみ
瀬戸 康史
田山 涼成
【ストーリー】
鮎川茜が教師を勤める女子高で、動画サイトに投稿された、自殺を生中継した映像が噂となる。しかも、その生中継を偶然見ていた人も死んでしまったという。茜の教え子・典子が不可解な死を遂げ、さらに時を...... [続きを読む]
「リング」の怖さは奇跡的だったのか・・・。
きっと使いこなした2Dで、限界まで考えた怖さと、
使いこなしてない3Dで、出来る事をってみた怖さ、
どっちがコワイか。そんな技術的側面もあるのかな。
3Dという表現方法は、意外に難しいんだなぁ~、
そんな感想をしみじみ感じてしまいました。
ただね、残念な記事も見つけちゃったりして。
http://www.birthday-energy.co.jp/
なんでも鈴木先生、いまが仕上げの時期。
これを過ぎたら下がり目に入ってゆくとな。
もし本当だったら、こっちも怖いな・・・。
投稿: チャンク | 2012年5月29日 (火) 00時11分