「永遠の僕たち」
交通事故で両親を失い、臨死体験をした少年イーノック。
それ以来、日本人の特攻青年ヒロシの霊が見えるようになる。
そんな彼の日常は、ヒロシと語り、時々見ず知らずの故人の葬式に紛れ込むことだった。
ある日、いつものように葬儀に紛れ込んでいるところを、葬儀屋にばれてしまうが、参列者の少女アナベルに救われる。
彼女は癌で余命3ヵ月の命だった。
急速に仲を深める二人だったが、当然時間は限られていた…。
え~また難病物?と思っていたら、ベタな話ではなく、真っ当な青春恋愛映画だった。
イーノック、アナベル、ヒロシの3人の共通するものは死であるが、死ぬ人だけでなく残される人にも触れており、死について多角的に観ている。
そしてそれらは決して暗くなく、かといって軽く扱ってはいない。
不思議と妙な透明感を感じさせるものがあるのだ。
もちろん、ツッコミ所はあるし、難病物でお馴染み病人なのに妙に元気なところはあるが、それを差し引いても悪くないと思う。
ただ嫌いな人には全く合わないというのも理解できる。
イーノックが赤の他人の葬儀の参列を繰り返すのは、正に「禁じられた遊び」なのだが、理由が、両親の死に要因があることがわかり、合点がいくと共に泣けた。
だけど一番ホロッと来たのは最後で、<彼女と出会った時を思い返す>ところで、言葉で説明するのではなく、シンプルで、わかりやすい映像で見せてしまったのは良いと思う。
監督がガス・ヴァン・サントなので、もっとひねくれた話かなと思いきや、意外に良い意味で普通だった。
出演は、デニス・ホッパーの息子のヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮。
デニス・ホッパーの息子がこんなにイケメンだとは思わなかった。
加瀬亮は当然ヒロシ役なのだが、何故、彼が起用?といった感じだったが、結局、日本でのセールスポイントはそこしかないのが悲しい。
参加してます。よろしくで~す
« 「寄性獣医・鈴音 EVOLUTION」 | トップページ | 「マイウェイ 12,000キロの真実」 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 「A Film About Coffee(ア・フィルム・アバウト・コーヒー)」(2016.01.06)
- 2015年映画雑感(2016.01.05)
- 2015のダメ映画②(2016.01.04)
- 2015のダメ映画①(2016.01.03)
- 2015年日本映画ベストテン(2016.01.02)
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「永遠の僕たち」:
» 映画「永遠の僕たち」生きることに実感できない毎日の空虚 [soramove]
「永遠の僕たち」★★★☆
ヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮出演
ガス・ヴァン・サント監督、
90分、 2011年12月23日公開
2010,アメリカ,ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(原題:RESTLESS)
人気ブログランキングへ">>→ ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい←
不治の病に冒された少女と、
死に取り憑かれた青年の恋の物語
... [続きを読む]
» 「永遠の僕たち」 消化しきれていない死 [はらやんの映画徒然草]
2012年、最初の作品はこちら、「永遠の僕たち」です。 他のブロガーさんの昨年の [続きを読む]
» 映画:永遠の僕たち Restless「死」に取り付かれた青春映画、ってかなり嫌悪しつつ妙に残るものが、嗚呼... [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
「死」にまつわるストーリー展開は、基本パスな私。
なのだけれど、監督がガス・ヴァン・サントなので。
他人の葬式に勝手に参加する少年。
これにからむ女性、そして幽霊(なんと特攻隊員!)
この関係性が少しずつ動き出す。
最初は嫌々(笑)観ていた。
のだが、...... [続きを読む]
» [映画『永遠の僕たち』を観た(スマン、短信だ)] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆これは、激烈な傑作であった。
残業を午後八時までした後、家と逆方向の多摩センターまでレイトショーを観に行き、心に、淡々と、だが大きな感動を、この作品は与えてくれた。
◇
見知らぬ者の葬式に参列し、雰囲気をそれとなく観察することを趣味としている...... [続きを読む]
» 映画『永遠の僕たち』を観て [kintyres Diary 新館]
11-93.永遠の僕たち■原題:Restless■製作年・国:2011年、アメリカ■上映時間:90分■字幕:寺尾次郎■観賞日:12月30日、TOHOシネマズシャンテ
□監督・製作:ガス・ヴァン・サント□脚本(脚色):ジェイソン・リュウ□撮影監督:ハリス・サヴィデス□編集:エリオ...... [続きを読む]
コメント