「ALWAYS 三丁目の夕日'64」
シリーズの第3弾。
東京オリンピックで盛り上がる昭和39年が時代設定となっている。
今回は、六ちゃんの恋愛、茶川先生と結婚したヒロミの出産&淳之介の進路問題がメインだ。
1作目はVFXで昭和30年代を再現することにより、映像表現の可能性を示しただけでなく、人情話としての面白さも描いた傑作だった。
しかし、3作目となり明らかにシリーズ化となるとVFXでの時代背景の再現は目新しいものではなくなり、極めて普通の人情ホームドラマになっていく。
そして、ノスタルジーを求めるあまり、ちょっといい話のインフレ状態になっていく。
前作まではそのバランスが絶妙だったのだが、今回は若干やりすぎな感じもしないわけでもない。
六ちゃんの恋愛も、相手が遊び人っぽい医者に見えるが実はいい人だったという意外性を出そうとしているが、諸事情を考えたらいいことをしているわけではなく、一部の人に迷惑をかけていることになる。
つまり、結婚しても幸せになれるかどうかは微妙に思えてしまう。
小説家になりたい淳之介に対し、茶川先生は小説家は先行き不安定だから東大に行けといい、自分がかつて父親にやられたことを淳之介にする。
おそらく、ここで時代が変化しても変わらない親子の繋を描きたかったと思われる。
しかし、ここでふと考えれば、東大に行って小説家を目指してもいいわけで、どちらかを選択する必要はない。
淳之介は頭がいいのでそれが可能だからだ。
ここまで来ると茶川先生のエゴであり、親としての器の狭さを感じさせれてしまう。
もちろん、これらは重箱の隅をつついていると言われたらそれまでだし、何も感じない人もいるかもしれない。
だけど、そう感じさせない勢いは欲しいと個人的には思ってしまう。
どうせ昭和30年代が舞台なら、当時の人情劇をもっと昇華したものであって欲しかったのでちょっと残念。
ただ、ノスタルジーに浸るには十分で、画面の端々に見えるものを見て、そういえばあんなのあったな~と懐かしむことはできる。
一番笑ったのは、「カラーテレビを買ったのに白黒番組ばっかり」とぼやくところで、確かに昭和45年くらいまで白黒番組とのチャンポン状態だった。
地デジ放送が始まった時はハイビジョン放送が少ないと言っていたのと同じものがある。
出演は堤真一、薬師丸ひろ子、吉岡秀隆、小雪(B83-W58-H85)、堀北真希(B78-W58-H83)…など前作の役はそのままで、森山未來や大森南朋が新しく登場している。
監督は引き続き山崎貴。
予告編が全てでありそれ以上のものがないのが悲しい。
今回は3Dなのだが、立体感を感じさせるのは数カ所で、上映時間も長いので疲れるだけで全く意味なし。
おそらく、次回は「ALWAYS 三丁目の夕日'70」で万博がメインの話なんだろうなあ。
参加してます。よろしくで~す
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マギー、温水洋一、神戸浩、飯田基祐、
森山未來、大森南朋、高畑淳子出演
山崎貴 監督、
142分、2012年1月21日公開
日本,東宝/ 2012 「ALWAYS 三丁目の夕日‘64」製作委員会
(原題:ALWAYS 三丁目の夕日 )
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