「カンパニー・メン」
やっぱり映画を観にいくのはイヴェントであるべきだし、暗闇で大きなスクリーンを観ることにより、浮世のことを忘れて気分転換する一面もあるはずだ。
ところが、観る映画を間違えると気分は一気にブルーになってしまう。
この映画が正にそれだ。
リーマン・ショック後の不景気により、長引く不況で高い失業率が深刻になっているアメリカで、会社をリストラされたエリート・ビジネスマン達の生きざまを描いている。
映画としては面白いのだが、仕事の憂さを晴らしに映画を観にきた人は、さらに気分が滅入ってくること間違いなし。
いくら不景気とはいえ、若ければ何とかなるかもしれない。
しかし、一番あぶないのは、すっかり中年でそれなりの役職についちゃている人だろう。
現場仕事はやってないし、体力も記憶力も落ちてるし、何より今の給料で当たり前にやってきたことができなくなることだろう。
意外に生活レヴェルが下がるのは一番きついはず。
これは学生時代とか金のない時期にはわからないけど、就職して当たり前のように毎月給料が入ってくる生活に慣れてしまうと、この痛みは相当なものであるはずだ。
一方、この手の映画はリストラをする会社=悪のイメージが強いのだが、実際は経営する側も会社の維持をするが精一杯で全ての責任がのしかかってくるため責任も大きい。
この映画は意外に誰も気にしていないようなところにもきちんと触れている。
でも最終的には家族なんよね。
出演はベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナーと実は意外に豪華キャスト。
監督のジョン・ウェルズはテレビの人で、これが長編デビューらしい。
中年のおぢさん連中にはちょっと気分が滅入る話だが、アメリカの容赦ない雇用状態に比べ、日本はまだ若干ましと思えそうなところが救いかな。
参加してます。よろしくで~す
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