「一命」
幕府による理不尽な御家取り潰しが相次ぎ、困窮した浪人があふれている江戸時代初頭。
巷では、仕事も家もなくし生活に困った崖っぷち浪人が、裕福な大名屋敷に押しかけ、切腹するので庭先を拝借と願い出て、困惑する屋敷の者から金銭や職をもらう <狂言切腹>が大流行!
そんなある日、名門・井伊家に切腹を願い出た侍がやってきた。
どうやら彼は数カ月前に同じように訪ねてきて、刀を売り竹光で切腹した若い浪人と何か関係がありそうだった……。
小林正樹監督「切腹」(1962)の原作である滝口康彦の「異聞浪人記」を基に映画化したらしいが、自分は映画も観ていないし、小説も未読。
最初は狂言切腹で金をもらおうとしている浪人と、それをわかっていて本当に腹を切らそうとしている大名家の心理的攻防戦を描くものかと思っていた。
実際、最初はその妙な緊迫感と腹の探り合いが面白かった。
その時は狂言切腹の武士はマジで死んでくれないかなあと思ったが、実際は狂言切腹するには理由があったというもの。
ところが、理由はわかったけど、それが狂言切腹を正当化するものではないような感じがしてならない。
自分は武士の仕事はしたことがないせいか、武士道というのが全くわからなくて、この映画が武士道に基づいて展開しているというのであれば、ちょっと理解に苦しむところがある。
別に狂言切腹をしなくても何とかなるんじゃないの?と思ってしまうのだ。
そこに至るまでを延々と描いているのだが、甲斐性無しにしか思えない時点で、自分にはこの映画はダメかもしれない。
主演の市川海老蔵は私生活の方が有名だが、この映画では嫁入りするような娘がいる浪人の設定。
しかし、どう考えてもそんな大きな娘がいるような年齢に見えない。
さらにボソボソと何を話しているかが聞きづらくて困ってしまう。
どちらかというと共演で大名家老役の役所広司と役が逆のような感じがする。
瑛太はそれなり。
満島ひかり(B75-W60.5-H89)はいつもの半切れ演技は控えめ。
監督はVシネから大作まで何でもお任せの三池崇史。
一応、3D映画なのだが、全くもってその効果を発揮せず、これだったら暴れん坊将軍が出ている仮面ライダーの方が3Dの効果は出ていたかも。
参加してます。よろしくで~す
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» 映画「一命」映像がちょっともったいつけすぎ [soramove]
「一命」★★★
市川海老蔵、瑛太、満島ひかり、役所広司主演
三池崇史 監督
127分、2011年10月15日公開
2011,日本,松竹
(原作:原題:滝口康彦の小説『異聞浪人記』)
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