「ブラック・スワン」
ブラック・スワンをイメージさせる格好の人には来場者プレゼントありなのだが、どうしたらいいかわからずに劇場に行ったら、あっさり入場者全員に配っていた。
期待し過ぎた自分が悪いのだが、黒いリボンをつけたポスターだった。
折しも台風1号の影響で雨が強く、大変邪魔になってしまうどころか、濡れて使い物にならなかった。
せめてファイルくらいが良かったんだけど。
ナタリー・ポートマンがアカデミー賞主演女優賞受賞で一気に有名になってしまい、知名度も一気にアップ。
天気が良くなくても女性の日が公開だけあって、平日初日でも、座席は埋まっていた。
ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属し、元ダンサーの母親の期待を背負い、厳しいレッスンに励むニナ。
ある日、長年活躍したプリマ・バレリーナのベスが引退することになり、新作の「白鳥の湖」のプリマにニナが選ばれた。
しかし、白鳥の湖は純真な白鳥役と同時に、奔放で邪悪な黒鳥役も演じなければならないのが、真面目な優等生タイプのニナには黒鳥を踊れるかが大きな難関になってしまう。
そうこうしていうちに彼女とは対照的に黒鳥を演じることができる新人ダンサーのリリーが登場!
あらゆる方面からプレッシャーがかかり、彼女の不安と焦りは極限まで達してしまうのだった…。
予告編からバレエでしのぎを削るプロの世界を描くものだと思っていたら、半端ない怖さのサイコホラーだった。
頑張る女の子を応援する映画だと思ってきたであろう女性客が、時々恐怖で飛び上がっていた(苦笑)
だけど、映画は無茶苦茶面白い。
対照的な白鳥と黒鳥を演じるのと、現実世界のヒロインの心理状態がシンクロしていく。
さらにヒロインの心理状態が映像を通して伝わってくる。
特に鏡を使うことにより、心の二面性を演出しているのは見事としかいいようがない。
そしてどこまでが現実かそうでないかもわからない展開が、観ている方も彼女の精神状態と同じように不安定になってきて、追体験できてしまうのだ。
確かに自分を生んだからバレエをやめたという母親や、セクハラ芸術監督、虎視眈々とプリマを狙うライヴァル、主役のプレッシャーなど、人間誰しも形を変えて実際にありそうなことが、身に染みる。
2時間もない上映時間なのに見終わった後はくたくたに疲れてしまう。
監督は「レスラー」のダーレン・アロノフスキー。
演出に答えたナタリー・ポートマンの鬼気迫る演技にも脱帽!
アカデミーの主演女優賞も納得!
乳揉まれたりして、もう「レオン」の子供のイメージはすっかりなくなっており、当時の彼女を崇拝するそっち方面のファンにはがっかりかもしれないが、自分はこの映画の困った顔が好きだな。
参加してます。よろしくで~す
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