「さくら、さくら -サムライ化学者 高峰譲吉の生涯-」
ハリウッドで歴史物を扱った映画は、扱っているテーマをじっくり下調べをしていくと、もっと面白く観ることができる。
ところが、日本の歴史物の場合、下調べをしていくと、良くて下調べした程度、場合によってはそれ以下の情報量しかない場合がある。
もちろん、映画によって必ずしもそうでないのだが、イメージ的にはそんな感じだ。
この映画も胃腸薬に入っている「タカヂアスターゼ」や止血剤「アドレナリン」の抽出法を発見した化学者・高峰譲吉の生涯を描いているのだが、全く面白みがない。
高峰譲吉がどういう人物かを映像を使って紹介しているだけなのだ。
テレビ番組の特集コーナーが2時間以上あると思ってもいいだろう。
それはそれでわかりやすいのだが、入場料を支払ってまで観るものかどうかは激しく疑問を感じてしまう。
そこでふと思ったのは、やはりこの手の歴史物は史実を元に独自の解釈や、そこに至るまでの見えないところを膨らませることが醍醐味ではないか。
そして、人間の場合は、その人の人生をなぞるだけでなく、一番中心となるものを深く取り上げた方が良い。
この映画は、そこらへんの面白さが全くないのだ。
さらにつまらないわけでもないから、印象にも残らない。
まあ高峰譲吉のご当地映画としての役割は果たしてはいるのだが…。
主演は加藤雅也、
共演のナオミ・グレースは高峰譲吉のアメリカから来た奥方の役だが、なんとなく「レオニー」とかぶりまくりなんよね。
監督は市川徹。
せっかく現在も胃腸薬などに使われるタカヂアスターゼの発明という身近なネタなのにイマイチ伝わらないし、ましてやタイトルにもなっている桜のエピソードも意外に軽く流されているしね。
参加してます。よろしくで~す
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