「SPACE BATTLESHIP ヤマト」
「宇宙戦艦ヤマト」は、「アルプスの少女ハイジ」の裏で放送されていたので視聴率不振で打ち切りという話が定番だが、実際には「アルプスの少女ハイジ」は12月で放送が終わっている。
1月から放送の「フランダースの犬」は初期は盛り上がりに欠けるので、「ヤマト」と「猿の軍団」をザッピングしていた人が多いので、視聴率はともかく観ていた人は思った以上に多いと思う。
そうはいいながらも、本格的に観たのは再放送というのが圧倒的に多いのは言うまでもない。
しかし、ヤマトといえば「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」だろう。
1978年は1年遅れで「スター・ウォーズ」が公開され、未曾有のSFブームだった。
「ヤマト」のヒットの仕方は異常で、当時はシネコンがなかったので、立ち見上等!座席確保のために早朝から並んだ。
パンフが当時としては破格の400円だったので、帰りの電車賃がなくなって歩いた知人もいる。
オールナイトニッポンで特集があって、夜中に質問の電話をかけて結局最後まで繋がらなかったり、まああれは今考えたらメディアミックスの走りだったのかもしれない。
沢田研二の歌も、アニメでも歌謡曲の先駆けだろう。
ヤマトは色々な意味で画期的だったのだが、感動的に終わっておけば良かったのに、欲を出して、TVシリーズや映画の続編を作ったりしているうちに、騙されたような感じになり、ヤマトが好きなことが恥ずかしいことになってしまった。
そうこうしているうちに、ガンダムが出てきて、あれだけ人気のあったヤマトを含む松本アニメ全般の人気は終わってしまう。
その後、キャラを変えたりして復活させても、ガンダムのようにヤマトを題材とした世界が構築できないため、世代を越えた人気作には成りえなかった。
つまりヤマトは、1作目と2作目で完成しているため、それらが古典でありスタンダードで、もし新作を作るのであれば、リメイクをしていくのが正しいやり方かもしれない。
だから、新作を作るなら実写化は正しいやり方だと言える。
ファンだった自分としては実写がどうなっているかが気になって仕方なかったので、早速公開2日目に観にいった。(映画の日は人が多くていやだ)
最初にTBSのマークが出てきてびっくり!
日テレじゃないんだ。
やっぱりTBSなら「猿の軍団」の映画化してほしい。
興行的には成功すると思うのだが、一方では実写版ということで叩かれ、古代進役が木村拓哉なので叩かれている。
だけど、それってもう最初から完全にそういうものだと思って観ているんじゃない?
自分は、結構面白く観たんだけど、これって物凄く少数派?
まさかアニメと同じものを求めているのかなあ。
それだったら実写を観る必要は全くないわけで、これは「宇宙戦艦ヤマト」という古典を、実写というアニメとは違った表現方法で作ったものであり、もっと簡単に考えれば同人誌的な面白さなのだ。
それにアニメが物凄くよくできた話かといえば、そういうものでもなく、むしろ当時としてはSFの設定がきちんとしていたり、時代の流れに乗ってしまったことなどの要因があるからで決して未曾有の傑作ではない。
今回の実写化は、ブームから約30年の経過したことにより、撮影技術の進歩はもちろん、ヤマトを題材に新しく何かを作る余裕と冷静さができたのだと思う。
おそらく、オリジナルを観ていた世代も、当時を思い出にできて、別物として楽しむ余裕ができるはずなのである。
制作側もそれを見越しているはずで、だからこそ良くも悪くも話題になるし、それが興行成績につながるのなら映画としては成功といえる。
おそらく、この映画でツッコミとは別に文句を言っているのは、若い人か別物として楽しむ余裕のない人だと思う。
実際、自分の周りのリアルタイムの人達は、この映画についてあまり悪く言う人はいない。
むしろ、もしヤマトを実写化したら…と盛り上がっていたこともあるし、当時の特撮より今はかなりレヴェルが高くなっているので、やっと自分らのイメージに追いついたと思っている人もいるくらいだ。
当時目標だったスター・ウォーズや宇宙空母ギャラクティカに近づけたと思っているはずだ。
実際特撮部分はよくできているし、アニメ時代のヤマトを前提にして今風にアレンジしているのが面白い。
例えばヤマトのユニフォームもラッパズボンはさすがにないが、新しいギャラクティカのユニフォームみたいになっている。
しかし、銃とかはアニメの時と似たような感じになっていて、雰囲気的にはバットマンと同じように基本は守りつつも新しさを入れている。
SFとしての映像のハッタリも効いていて、例えばヤマトが斜めでワープしてその態勢のままワープアウトするセンスは面白いし、ワープ中のラブシーンもありだ。
賛否が分かれるアナライザーもアニメのまんま出てくるより意外性があっていいし、自分はむしろかっこいいと思った。
さらにアニメの美味しい場面もそれなりに再現されていて、懐かしくもあり、空間騎兵隊の斎藤が仁王立ちで死ぬところなんか、「待ってました」と声をかけたくなるくらいだ。
ガミラスは、アバターのように青い顔した宇宙人が出てくるかと思ったら、バルタン星人みたいな意識集合体で、人の体を媒体として地球人とコンタクトを取るのは議論が分かれるところだが、その時にデスラー(ガミラス)とスターシャ(イスカンダル)の声がアニメと同じなので、最終防衛ラインは死守している。
ちなみにこの映画のデスラーだったら、コブラのクリスタルボーイも実現可能だろう。
音楽も宮川泰のスコアを使っているし、実は何気に要所要所でツボをおさえているのだ。
古代進を演じるキムタクは、まんまキムタクなのだが、これはもう想定範囲内なのでツッコミはなし。
むしろあの髪形はアニメの古代進っぽいのでありかなと思ってしまう。
黒木メイサ(B80-W58-H82)が、森雪で、生活判ではなく戦闘班ブラックタイガー隊に所属していることになっている。
まあ初期の設定がそうだったからと考えれば、その設定が見ることができたと思えばOKか。
「アサルトガールズ」とキャラがかぶってるんだけどね。
それ以上に佐渡先生が高島礼子(B84-W56-H89)の方が抵抗がある。
その意味では真田さんの柳葉敏郎や徳川機関長の西田敏行はピッタリかな。
個人的には実写版セーラームーンの沢井美優(B82-W59-H84)に注目したい。
ただ、贔屓目の自分だが、話はイマイチであることは認めなくてはいけない。
まあ監督が山崎貴だからと納得している自分だ。
ヤマトが成功したら次は絶対にガンダムの実写化だろうなあ。
参加してます。よろしくで~す
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投稿: 砂野 | 2010年12月11日 (土) 10時11分