「うまれる」
出産をテーマにしたドキュメンタリー。
同じ時期に同じテーマの「玄牝 -げんぴん-」が公開されているので、比較してしまいたくなるのが人情だ。
「玄牝 -げんぴん-」が、ナレーションもなく、スケッチ的な映像を構築しているのに対して、この映画は、つるの剛士のナレーションで懇切丁寧に、時にはCGやアニメーションを駆使して状況説明をしている。
どちらが良いかといえば、人それぞれだが自分は「うまれる」の方が良かった。
「玄牝 -げんぴん-」は、やっぱりあの手持ちカメラのフラフラしている映像が辛い。
「うまれる」は、物凄くわかりやすい。
両親の不仲・虐待の経験から親になることを戸惑う夫婦。
完治しない障害を持つ子を育てる夫婦。
出産予定日に死産の我が子を持つ夫婦。
子が授からない人生を受け入れた夫婦。
最大公約数的な4組を追いながら、出産とは何か考えていく。
正直、そんな内容をわざわざ映画館で金払って観る意味があるのか?…と言われたら、人それぞれだろうが自分はその価値はあると思う。
確かにテレビで放送しそうな内容だ。
もっといえば、ドキュメンタリー映画たるもの、神軍平等兵や桃色ゲリラみたいな、ちょっとあぶなそうな人や、テレビではちょっと無理そうな社会的問題を追求していくもので、出産なんか、殆どの人が直接的にしろ間接的にしろ誰しも関わるものなので、あえて映画にする必要があるかどうかは微妙かもしれない。
しかし、身近であるものの、一大イベントであることは間違いない。
ひょっとしたら、企業の大掛かりな不正よりも重要かもしれない。
この映画は、内容は極めて単純!
ところが、観ているうちに、言葉にできない気持ちが込み上げてくるのだ。
これは自分だけではないようで、観客席からすすり泣きが聞こえてくるのだ。
おそらく女性には心の琴線に触れるものがあるかもしれない。
死産のテーマにしたアニメで、一発目の泣きポイントがあるのだが、実は最後の方になると何とも言えない気持ちが込み上げてくる。
あ~、これはもう映画の術にハマってしまったと言えるだろう。
不本意ながら良かったと認めざるおえない。
女性はもちろん、男性にも観てほしい。
いや、むしろ父親になる予定の人は必見だ。
この映画だけで、出産への考え方がよくわかるからだ。
参加してます。よろしくで~す
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» 『うまれる』の平仮名 『玄牝』の読めない漢字 [映画のブログ]
あまりドキュメンタリーを観たことがないので、正直なところ『うまれる』には面食らった。
CGによるイメージシーンや、アニメーションのキャラクターたちはもとより、まるで天国のような光に溢れたインタ...... [続きを読む]
みんなシネマいいのに!様、ブログに映画『うまれる』を書いていただいて誠にありがとうございました!
今後ともよろしくお願い致します。
ありがとうございます。
投稿: 映画「うまれる」 プロデューサー 牛山朋子 | 2010年11月26日 (金) 19時31分