「ペルシャ猫を誰も知らない」
高校時代にかかるハシカみたいな青春病のバンド。
夜遅くまで練習したり、機材を買うためにアルバイトをしたりしているので、当然成績はメキメキ下がっていくし、音がうるさいので親や先生からは怒られたりするのだが、反抗しながらもやり続けていた。
その反骨精神こそがロックだから。
しかし、所詮、高校生の周りに反対されながらのバンドなんて大したことではない。
何故なら逮捕されることがないから。
これがイランだとちょっと違う。
文化表現が厳しく制限され、ロックやブルース、HIPHOP等をやるのも命懸け。
音楽やるなら国外に行かなくてはならない。
こんな状況に比べたら、日本での音楽活動のユルさは問題外だ。
イランと言えば、初期の「エロイカより愛をこめて」やプリンス・マルコ・シリーズ等のネタでお馴染みで、あの時はホメイニ師が頑張っていた時代だったなあ(遠い目)
インディ・ロックを愛するミュージシャンのカップル、ベガルとアシュカンだが、反イスラム的との理由で西洋文化の規制が厳しいイランで音楽をやるのは無理だと考え、テヘランでの活動を諦め、海外への出国を決意する。
違法なパスポートやビザを手配してくれる便利屋ナデルは、2人の才能に惚れ込み、出国前に当局の許可を取り付け、彼らのアルバム制作とコンサートを実現させようとする。
バンドメンバーを探すため、こっそり活動するミュージシャンたちを訪ね回る…と言った話で、「BECK」と同じというより、バンド物でありがちな話だ。
それもそのはず、これはもう完全に音楽青春映画だからだ。
ただ、根本的に国の文化が違うだけなのだ。
これを見る限り、世界平和は絶対にありえないと思ってしまう。
予告を見ているとドキュメンタリーだと思っていたらそうではなかった。
ただ、アーティストは本物だそうで、撮影の後、本当に海外に行ったそうな。
当然、撮影も許可が出るわけもなくゲリラ撮影だそうで、監督のバフマン・ゴバディは根性あるなと感心。
とりあえず、音楽で食っていこうと考える若者は、この映画を観て、自分の決心を確認すべし。
参加してます。よろしくで~す
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