「トイレット」
シリーズ物は、同じような話展開でも「お約束」で済んでしまうけど、単発の映画でそんなことをしてたら、マンネリとかバカの一つ覚えとか色々なことを言われてしまう可能性は大きい。
「かもめ食堂」を大ヒットさせた荻上直子監督は、その後も似たような感じの「めがね」を演出、そして今回の新作も今までの映画と同じラインに並んでいる。
引きこもりでピアニストの兄、プラモデルオタクの弟、大学生の妹リサの3兄妹は母親が亡くなったことをきっかけに、彼女の遺した実家で同居することになった。
さらに母が亡くなる直前に日本から呼び寄せた3兄妹の祖母“ばーちゃん”も一緒に住むことになる。
淡々とした話展開で、ばーちゃんを演じているのがもたいまさこ…とくれば、「かもめ食堂」みたいなものを期待してしまう反面、また同じようなものかと思ってしまう。
確かに「かもめ食堂」は面白かったが、あれは色々な複合要素がうまく働いたからで、それ以降は焼き直しや劣化コピーの言葉が適切の作品が多い。
だらだらしている話でも「癒し」という魔法の言葉で、ごまかされてしまうのだ。
この映画は今までの荻上映画の中ではわかりやすいのだが、やっぱりもうこの路線に飽きてきた。
もしこれが作家姓という言葉で片付けられたらちょっとかわいそう。
だって「恋は五・七・五」みたいな普通の映画だって演出できてしまう人なのだから。
もちろん、これは監督が悪いわけではなく、そういう映画を依頼する方に問題があって、彼女はそれを仕事として引き受けているだけなのだ。
世の映画ファンの中には、映画が監督の好き勝手に作る発表の場だと思っている人が意外に多いのだが、映画監督も工事現場の監督も本質は変わらないので勘違いしてはいけない。
そうはいいながらも、観客は制作事情なんて知ったことじゃないし、金払っているのでいいたいことをいってOKなのだ。
つうことで、荻上直子監督には違う路線の映画もやってほしい。
参加してます。よろしくで~す
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