「カケラ」
恋人って何?
つきあうって何?
言われてみれば答えるのが難しい。
定義はないし、人の気持ち次第なのだけど、当然温度差もある。
相手から告白されて別に嫌いでもないのでつきあっている人や、確認したいけれど今の関係を壊したくないのでうだうだでつきあっている人もいるかもしれない。
告白して白黒はっきりさせるのもいいけれど、よく知らない相手だと即答できないし、本当はいい人なんだけど、見た目が微妙だとそれより先に進まなかったり、これという答えがない。
普通と言われる男女でもこれだけ悩むのに、男と男や女と女の恋愛はあまりにもハードルが高すぎる。
女子大生のハルは、とりたてて目的もなく毎日を過ごしており、彼氏もいるのだがどうも他に女がいるようだし、どう考えても体目当ての都合のいい女扱いで満たされない。
ある日、病気や事故で失った身体のパーツをつくる 仕事であるメディカルアーティストのリコと知り合う。
性格も何もかも違う二人は、満たされない心を埋め合うようにひかれあようになる・・・。
まあぶっちゃけ女と女の恋愛話なのだが、これが実は「恋人って何?」「つきあうって何?」という根本的な話を追求している。
本質的なことなら、人を好きになる心は同性愛でも変わらないはず。
だけどそう簡単に割り切れないのが人の心だ。
おそらくハルに対して彼氏は体を求め、リコは心を求めている。
大きな違いだが、その根本は似ている。
そして、それらはどちらも何かを構成するためのカケラでしかなく、ハルもリコもお互いにそれを探し補い合っているのだ。
女の子のほんわかした雰囲気(キャッキャッウフフってやつ?)が全編に漂っており、観ていて心地よい。
正直、同性愛は理解できないけど、こんな感じなんだろうなあという疑似体験ができる。
ハル役はメジャー映画の出番はあまりないが、マイナー系では大人気の満島ひかり(B76-W58-H89)。
相変わらず鬼気迫る演技で、今回は腋毛まで披露している。
これがまた役作りに必要だから不思議だ。
リコ役は中村映里子(B82-W63-H88)。
共演にかたせ梨乃(B98-W60-H90)が出てるのだが、やっぱり老けたなあと思うが、豊満な胸が健在で良かった。
あと久しぶりに見たよ、志茂田景樹 。
監督の安藤モモ子は、父が奥田瑛二、母が安藤和津、妹が安藤サクラ(B83-W58H80)という、正に血統書つきである。
なんだ親の七光りかと言われそうだが、確かにそうかもしれないが、この映画を観る限り、そんなに悪くないと思う。
むしろ、某偉大な漫画家の息子という肩書の映画監督より遥かに良いと思う。
ただちょっと残念なことは、前半のほんわかとしたまったり感が、後半になると少なくなりテンポも失速してしまうところかな。
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渋谷ユーロスペース カケラ 日本映画 監督・脚本:安藤モモ子 出演:満島ひかり 中村映里子 津川雅彦 かたせ梨乃 永岡佑 光石研 志茂田景樹他 撮影:石井浩一 音楽:ジェームズ・イハ プロデューサー:桃山さくら 渡邉啓子 原作:桜沢エリカ http://love-kakera.jp/... [続きを読む]
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