「喧嘩番長 劇場版~全国制覇」
学園物で最も架空の存在と言えば番長だろう。
学校一喧嘩が強く、ツッパリ連中をまとめ、他校と強さを争うというイメージが強く、学園物の中では委員長やガリベン君と並ぶマストポジションにもかかわらず、実際に番長が存在している学校はあるのだろうか?
少なくとも自分が通った学校(自動車学校を含む)で番長は見たことがない。
しかし、学園物では21世紀に入っても番長は存在しているのだ。
この映画は、修学旅行先の東京で全国47都道府県の“喧嘩番長”が集結して、日本一を決める闘いを描いたもので、プレステ2のゲームの映画化らしい。
まさか21世紀になって、「男一匹ガキ大将」の世界が展開しているとは思わなかった。
そもそも番長やらツッパリが存在できたのは80年代までで、「ビーバップハイスクール」が最後の盛り上がりだと思われる。
結局、それらの存在が終わるのは制服が学ランからブレザーに移行した時期であり、学生=学ランという記号が成り立たなくなってしまったからだと思う。
自分はゲームをしていないせいか、この映画が面白いとは思えなかった。
自分はツッパリ物は大好きなので、この手の映画には寛容な方だと思っている。
しかし、この映画がガッカリ度が強い。
喧嘩が強いからといって何も得するものはない。
何しろ、この映画には日本一喧嘩が強いのを決める以外何もないのだ。
もちろん、理不尽なやられ方をしたり、女の子が拉致られたりという戦うためのきっかけはあるのだが、だからといって感情移入できる要素としては弱い。
それよりも、何の得もなくても戦うのは心意気であり、それさえ描けていけばツッパリの喧嘩は成り立ってしまうのに、そこまでが至ってないのだ。
じゃあ、純粋にアクションだけかというとカメラは目まぐるしく動いているがアクションの流れがないため見ていて消化不良なのである。
ゲームなら自分でキャラを選んで自分で動かすことができるが、映画の場合は同化できなければ、正に他人のやるゲームを見ているような状態になってしまうのだ。
これなら、「クローズZERO」の方が純粋に戦いだけを追求する心意気が描けていたと思う。
出演は綾部祐二、大河元気、谷澤恵里香(B88-W61-H86)。
見所はマッサージチェアの振動で揺れる谷澤恵里香の豊満な胸…なのか?
監督は東海林毅。
やっぱりゲームの映画化は難しいと感じてしまうし、この手の話って「ビーバップハイスクール」からあまり変化がない。
番長の日本制覇だったら「ガクラン八年組」の映画化希望!
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