「ソラニン」
青春のはしかの一つにバンドというのがあって、これをこじらせると大学を落第したりするのはもちろんひどい場合は退学、就職はせずにフリーターで見果てぬ夢を追い続けてしまうのだ。
確かに学生時代は就職してしまうと自由な時間がなくなり、やりたくもない仕事を朝から晩までやらなくてはいけないように見えてしまう。
まあ学生はわかっているようでわかっていないので仕方ないだろう。
実は思っている以上に社会人は悪くない。
まず金銭面はボーナスなどを含めるとアルバイトをするよりも多いし、微々たるものだが昇給していく。
有給を含めて休みも多い。
社会人は時間がないように思えるが、よく考えれば、バンドの練習も夜しかやらずに昼間にバイトするなら結局同じだし、むしろ金銭的余裕があるので思う存分練習できるし、場合によっては専用の練習部屋だってできてしまう。
ハングリー精神とか逃げを作らず追い込むために就職しないという考えもあるが、それくらいの時間のやりくりができなくてどうするんだ?とも思うし、それで食っていくなら学生時代に何とかしろといいたい。
バンドで十分食べていけるのなら、その時仕事をやめればいい。
少なくとも物にならなくて、その後の人生がうまくいかなくてもバンドのせいにしない生き方が大切だ
有名アーティストが路上ライヴでスカウトされたとか聞くと影響されてしまう人もいるだろうが、それが全体の比率でどれくらいか考えれば参考にならないはずだ。
だけど若い時は根拠もなく自分の可能性を信じているのでわからないのだ。
もちろん、これは自分の個人の考えで、生き方は人それぞれだ。
この映画はOL生活2年で自由を求めて会社を辞めた元OLと音楽への夢をあきらめられないフリーターのカップルの話だ。
普通、この手の映画だとバンドメンバーの話が多いのだが、この映画はバンドメンバーが恋人の女性が中心で展開している。
この映画は年齢によって賛否が分かれてしまうだろう。
10代~20代前半にはあまりにも夢がない話だし、30代前後は話の理解はできるが抵抗感はあるだろう。
30代後半からは、その青臭さも微笑ましく感じてしまう余裕が出てくるかもしれない。
自分は、あの痛くてこっ恥ずかしい青春のはしかをうまく描いていて、面白かった。
確かに最初はだらだらとしたものがあるのだが、あれは学生気分が抜けていない雰囲気をうまく再現していると思う。
むしろ、あの緩さと思う通りにいかない手詰まり感が懐かしくて面白く、親に現状をなじられて「自分のことは自分で決める」の若気の至りの決めセリフに「いよ、待ってました」というような気分になってしまうのだ。
ちょっと前に同じようなバンドネタで「BANDAGE バンデイジ」というのがあったが、この映画の方が遥かに面白い!
あちらはプロになってからの苦労だが、この映画はそこにまでも至らないダメさ加減がある。
だけど、それに愛しさを感じてしまうんだな。(これって倒錯的な愛?)
主演は宮崎あおい(B78-W57-H78)と高良健吾。
この映画であおいちゃんはギターと歌を披露している。
おそらくうまいわけでもないのだろうけど、そこに至るまでのあおいちゃんの演技があるので、凄くよく思えてしまうのだ。
あと、あおいちゃんの学生時代と現在のメイクの仕方が微妙に違っていて、学生時代は化粧がこなれていない感じが出ており、ここらへんはメイクさんの腕の見せ所か?
共演は 桐谷健太、近藤洋一、伊藤歩(B82-W52-H86)
伊藤歩は「バンデイジ」にも出演しており、バンド物の定番女優になりつつあるのか(笑)
監督は三木孝浩。
ただもう少しテンポよくまとめると、一般受けするのかも!
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TB有難うございました。
学生から社会人になっていく過程での
将来の不安、不透明な未来、そして葛藤
大人から見ればわがままなだけかもしれないけど
こんな想いに駆られる人は多いと思います。
宮崎あおいちゃんのラストシーンの歌とギター
上手い、下手でなく感情が伝わってきました。
ただ、残念なのは最後の「ソラニン」
フルで見たかった。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
投稿: シムウナ | 2010年4月11日 (日) 21時35分