「パレード」
都内のマンションをルームシェアする4人の男女。
この部屋に最初から住んでいる最年長で映画会社に勤める健康オタクの直輝、、イラストレーターで雑貨屋店員の未来、先輩の彼女に恋をして悩んで入る大学3年生の良介、若手人気俳優と熱愛中の琴美。
そんな4人の生活の中に男娼のサトルが住み着くと次第に彼らの日常生活が崩れ始める。
そしてサトルの登場した時に町では女性を狙った暴行事件が連続して発生していた…。
吉田修一の同名小説の映画化だが自分は未読。
自分の知っているマンションで、2LDKにとんでもない人数で住んでいる人達がいたが、それは海外から働きに来ているという事情で、24時間出入りが激しいので、普通なら常時3人しかいない計算でやっているらしい。
ドラマや映画でルームシェアをネタにしたものは多いが、実際には難しいものがあり、夫婦でも時々鬱陶しくなるのに赤の他人との同居なんて無理無理!
ついつい「前略ミルクハウス」なんかを読んで面白そうだなあと思ってしまうのだけど、あれは物語の中の話であって、性格が違う人達と仲良くするのは、仕事で仲良くするふりはできても実際にはできない。
「めぞん一刻」を読んで、若い美人の未亡人の管理人がいると思って下宿したら、管理しているのは管理会社だったり、いたとしても年とったおっさんだったりして、99.9999%NASAの安全基準と同じ確率で若い未亡人の管理人さんはいない。
若く美人の管理人なんていないし、いい関係になるなんて、正に都市伝説なのだ。
しかし、そう思わせないところが語り口の妙なのかもしれない。
この映画も暴行事件という非日常はあるものの、それ以外は極めて普通に近い生活を描いており、その淡々としたのが観ていて妙に心地よかったりする。
一方で最後のちょっとした意外な展開には驚くが、それまでの展開から考えると効果的だと思う。
もちろん、それが売りではないのだが、うわべだけの生活を送る人達の内面の究極という意味では興味深い。
出演は藤原竜也、香里奈(B80-W57-H88)、貫地谷しほり(B84-W58-H85)、林遣都、小出恵介。
その中でも藤原竜也は絶対的に演技がうまいので説得力がある。
監督は「世界の中心で、愛をさけぶ」の行定勲。
淡々としているのに、妙に怖いものがあるので、明るいルームシェア物としてみると帰りはちょっと気分がブルーになってしまうので注意!
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