「マイマイ新子と千年の魔法」
昭和30年代の山口県防府で、空想好きの少女と都会から転校してきた少女の心の触れ合いや成長を描く芥川賞作家・高樹のぶ子の自伝的小説「マイマイ新子」を映画化。
「サマーウォーズ」のマッドハウスがアニメがセールスポイントになっているが、自分の中ではマッドハウスといえば「カードキャプターさくら」なんよね。
あまりにも公開劇場が少なく見逃すところだが、苦労して観て良かった。
想定範囲外の傑作!
しかし、残念なことに、この映画の良さを言葉に伝えるのは大変難しい。
考えるより感じさせるものであり、子供用アニメっぽいが、実は一番心を掴まれるのは大人で、それも年を取れば取るほど染み入ってくるのだ。
それは懐かしさとか都合の良い美化されたものではなく、大人になると胸の奥に閉じ込めているものだったりする。
あまりにも無邪気な考えと、子供故にどうすることもできない現実、それらを乗り越えることで望まなくとも大人になっていく様子が、ゆったりとした中でもきっちり描かれている。
特に後半の繁華街のエピソードは、子供の無力さが残酷さに泣けた。
また過去とのエピソードのシンクロのさせ方も面白い。
監督は「アリーテ姫」の片渕須直。
声の出演は、福田麻由子(B70-W54-H82)、水沢奈子(B70-W59-H81)、森迫永依。
思った以上に3人ともうまくて、もう無理して本職の声優を使う必要はないと思った。
しかし、昔は無理して声優以外を使う必要はないと言っていたんだけどねえ。
あと、絵の雰囲気でジブリアニメだと思っている人もいるだろうが、間違えても観てほしい作品だ。
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