「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」
1973年に結成されたヘヴィメタルバンド、アンヴィルは、1982年にアルバム「メタル・オン・メタルを」を発表!
後に大物になる数多くのメタルバンドに影響を与えたが、当の彼らはスターダムにのし上がることなく、年齢も50歳を迎え、現在は地元で別の仕事をしながらバンド活動をしていた。
そんな彼らに、おそらく再起のラストチャンスであろうヨーロッパ・ツアーの話が舞い込む…。
まさかドキュメンタリーで笑って泣かされるとは思わなかった。
ちょっと前にミッキー・ロークの「レスラー」という初老のプロレスラーの生ざまを描いた映画があったが、これはそのへヴィメタル版だ。
へヴィメタルは好きな人は好きだが、そうでない人にはうるさい音楽でしかない。
そうでなくても音楽性の違いとかで解散するバンドの多い中で、人気がないのに解散せず地道に活動しているアンヴィルには音楽への深い愛情を感じる。
ヨーロッパツアーも道は間違えるし、ギャラがもらえないこともあるし、空港に寝泊りしたり、一万人収容の会場で客は200人以下だし…これってどんな電波少年?とツッコミたいくらいの展開で、さらには一時期の有名人なのに誰も覚えててくれていないとか、笑えるのに哀しいものがあり、誰しも大なり小なり経験する人生の縮図を見ているようで、心に染みてくるのだ。
普通に考えたら、家族を持っているいい年の親父が、音楽だけで食べていけないのならやめるに決まっている。
それでも、続けていることそのものが偉業だと言えよう。
さらにはそれを支える家族。
普通だったら離婚していてもおかしくないはずだ。
だけど、皆、彼らを信じているのだ。
そう、これは家族愛の映画でもあるのだ。
ドキュメンタリーというと手持ちのカメラで気持ち悪くなるのだがそんなこともなく、ナレーションもないが、会話と編集でテンポよく進んでいく。
もし、バンドを組んでいて将来どうしようか悩んでいる若者は、この映画を見て自分の人生を考えるべし!
参加してます。よろしくで~す
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ANVIL! THE STORY OF ANVIL(2009/アメリカ)【DVD】
監督:サーシャ・ガヴァシ
出演:スティーヴ・“リップス”・クドロー/ロブ・ライナー/ラーズ・ウルリッヒ/レミー/スラッシュ
30年間夢を諦めなかった男たちの夢と友情を描いた、
笑って泣けるウソのような本当のお話!!
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