「空気人形」
♪夢を見る人形とみんな私を呼ぶの…ってそれは少女人形やね。
ひょんなことから心を持ってしまったダッチワイフが様々な出会いをしていく現代のファンタジー。
原作は業田良家の短編で、「自虐の詩」もそうだが彼の漫画が映像化される時代が来るとは、かつて「ヤングマガジン」で「ゴーダくん」を描いていた時に誰が考えただろうか?
この映画に出て来くるダッチワイフは、「ラースと、その彼女」のビアンカよりも遥かに安価である。
ひょっとして、上映している劇場は、映画で使われたのと同じ人形が展示されているかと思いきや、当然そんなことはなかった。
やっぱり客がドン引きするよな~。
本当は空気を入れるタイプより、世界最高の技術を誇るオリエント工業のリアルラブドールの方が良いのだが、高いんだよねえ。
前に皆で買ってシェアしようという話で盛り上がったものの、手入れとか置き場所、さらには共同で使うのに抵抗があるので無理だという結論に。
まあ個人で使うからこそ、この映画みたいに名前をつけて可愛がれるわけだろう。
で、映画に話を戻すと人魚姫に近いものがあるのだが、実写なので当然生々しく、特に空気人形の空気が抜けていくところは、その極みだった。
しかし、それでもギリギリファンタジーが成り立ってしまうのは是枝裕和監督の演出の賜物だろう。
そうでないと、ギャグにしかならない話なのだから。
主演のペ・ドゥナは「リンダ リンダ リンダ」で高校生を演じていたけれど、実年齢は「少女」というのは無理な30代なはず。
しかし、彼女がハマリ役で、他の人ではちょっと想像が難しく、やっぱり彼女の年齢不詳なところがいいと思う。
あと、板尾創路はこの手の役は本当に合っている。
オダギリジョーが何気なく出ているのには驚いた。
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