「ココ・アヴァン・シャネル」
今年は創業100周年だからなのか、シャネルの映画が3本公開されるらしい。
当然、それらは比較される運命にあるのは仕方ないだろう。
この映画も、ちょっと前に公開されたシャーリー・マクレーンが主演の「ココ・シャネル」と比べてしまう。
「ココ・シャネル」は晩年のシャネルが昔を回想する形式だったが、「ココ・アヴァン・シャネル」は前半生を描く。
まあいわゆる・シャネル・ビギンスみたいな感じかもしれない。
シャネルの誕生したフランスで製作され、シャネルが全面的にバックアップし、シャネルのイメージキャラクターのオドレイ・トトゥが主演なので期待したのだが、始終恋愛話で終わってしまう。
いや恋愛がダメとかではなく、普通ならシャネルが将来世界的ファッションデザイナーになる片鱗が出てくるのを前面に出して、一方ではこういう恋愛話がありますよ…みたいな描き方だと思う。
言うなればスター・ウォーズのエピソード1でアナキンがあっさり作りかけのC-3POを置き去りにしていることに、将来の暗黒卿の片鱗が見えているみたいな感じ…って違うか(苦笑)
ところが、この映画を観ていると、愛人になって男性に出資してもらっているような感じになっている。
これだと、お金持ちの旦那にスナックを出してもらっている女の人と変わらないし、それに共感したり尊敬したりすることは無理だろう。
彼女の才能に出資してもらっているということをうまく見せていない。
いやそれ以前に、さすがご当地映画のせいか、大変説明不足であり、おそらく誰もがシャネルの人生を知っていることを前提にしているが如しなのである。
まるで日本人なら織田信長の生涯を知っているのが当たり前みたいな感じになっている。
おそらくこれ一本を先に観ていたら結構辛いと思うのだが、幸いなことに「ココ・シャネル」でびっちり予習していたので補完することができた。
それにオドレイ・トトゥが意外にも一本調子で、底辺からのしあがろうとする気負いが感じられない。
まあこれは監督であるアンヌ・フォンテーヌの演出不足か。
そういえば、「007/ユア・アイス・オンリー」のキャロル・ブーケもシャネルのモデルをしていたそうだが、シャネルあんな感じの黒髪で細身が好きなんだな。
そんなわけで「ココ・シャネル」と「ココ・アヴァン・シャネル」はセットで観た方がいいのだが、お忙しい人は「ココ・シャネル」だけで十分かも。
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「ココ・アヴァン・シャネル」★★★
オドレイ・トトゥ、ブノワ・ポールブールド、マリー・ジラン主演
アンヌ・フォンテーヌ監督、110分、2009年、フランス、2009-09-18公開
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