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2009年9月20日 (日)

「カムイ外伝」

Saamuigaiden  カムイ、地獄だな

 いや映画そのものも地獄で、カムイというより寒いんですけど…。

 白土三平先生の漫画の映画化。
 ここ最近の時代劇映画ラッシュの真打登場…になるのか?
 抜忍となったカムイは漁師の半兵衛を助けた縁で、彼の家に住むことになるのだが、彼の妻も実は抜忍で、カムイを追忍だと考え気を許さなかった…。
 壮大な原作を2時間以内にまとめるのは至難の技だと思っていたら、ナレーションと説明臭い登場人物のセリフでわかりやすくなっている。
 反面、それが裏目に出て安っぽくなっていることも確かで、言うほど忍者の非情の掟や、理不尽な差別などが伝わらない。
 そこらへんは申し訳程度で、アクション三昧でガンガン展開してくれればいいのだが、それも、ゆるいCGとワイヤーアクションで迫力がない。
 もっといえば、本来忍者の術や動きが嘘臭いものなので、もっともらしく見せなくてはならないのに説得力に乏しいのだ。
 確かに最後のアクションは迫力はあるのだが、もっと時代劇の動きは様式美を大切にしてほしい。
 さらにアクション以外のCGにも違和感があり、サメとか、海とか、海に浮かぶ船など、実は一番力を入れなくてはならないものがダメダメになっている。
 話も切羽詰まってないし、散漫なので困ってしまうのだ。
 半兵衛が殿様に捕らわれるのだが、もともと彼が殿様の馬の足を切る方が悪いので仕方ないかなあと思ってしまうので、ちょっと話に説得力に欠けるし、感情移入がしにくい。
 でも「ゴッドファーザー」以来久しぶりの馬の切り落としネタだなあ(苦笑)
 主演の松山ケンイチは全く悪くなく、むしろ彼の起用がなかったら、この映画はかなり辛いと思う。
 その他、小雪(B83-W58-H85)や大後寿々花(B72-W59-H82)、伊藤英明(最初、江口洋介かと思ったよ)、小林薫も好演だったと思う。
 ただ、土屋アンナ(B85-60-H89)は、ただでさえバタ臭く時代劇に向かない顔でミスキャストなのだが、それ以前に彼女の演じる役が全く不必要な登場人物なのだ。
 脚本の宮藤官九郎は、適材適所から考えると、この映画に一番向かないと思うのだが、 
さすがにプロだけあってそつなくこなしているが、彼ならではの斬新な話展開はない。
 監督が崔洋一なので、「血と骨」のような殺伐とした雰囲気はあったんだけどね。
 やっぱりエンディングの歌はちょっとでもアニメ版「忍びのテーマ」を使うべきじゃない?
 「スパイダーマン」は、ちょっとだけだけど、そこらへんの心憎いサーヴィスはあったぞ。
 差別ネタとグロのシーンが多いので、地上波での放送はないか、相当編集するだろうなあ。

参加してます。よろしくで~す
   

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