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2009年5月28日 (木)

「遭難フリーター」

Free  1987年に「フリーター」という映画が公開された。
 おそらくフリーターという言葉が浸透してくるのはこの時くらいで、フリーアルバイターとも言われていた時期もあった。
 ちょうどバブル景気の始まった時期で、メディアは自分の自由な時間ができるとか、正社員と違って責任を取らなくていいなど、フリーターの良さを煽っていた。
 実際、アルバイトの時給がハネあがった時期で、新卒社員よりフリーターの方が月の手取りが多い場合もあった。
 昨年末は非正規雇用労働者が大きく取り沙汰され、派遣村やら再契約されなかった派遣社員がメディアに頻繁に出てきた。
 しかし、その前は派遣の良さみたいなものを煽るだけ煽っていたわけで、今度は全く逆のことを言い出し煽っている。
 そして、派遣でままならぬ人達を紹介しているのだが、それがどう考えてもツッコミ所満載の悪意を持っているとしか思えない報道なのだ。
 それはオタクを特集するのと同じで、もっと多種多様なのに、壁に美少女アニメのポスターがあったり、フィギュアを集めたり等いかにもなイメージで、尚且つちょっと小馬鹿にしたような感じに似ている。
 そうはいいながらも、他人の不幸は蜜の味とはよくいったもので、多くの人がそれぞれの立場でツッコミを入れながら見ているのも否定できない。
 この映画の主人公・岩淵弘樹もそうだ。
 東京に憧れて故郷の仙台の実家を出て、何故か東京でなく埼玉のキヤノンの工場で働く日研総業からの派遣社員(23歳)だ。
 一応、将来は出版の仕事がしたいと漠然と考えているが、何か実行するわけでもなく、ひたすらプリンタのインクに蓋を取り付ける毎日で、ある日非正規雇用労働者の権利を求めるデモやトークイベントに参加したことがきっかけで、関テレやNHKの番組で取り上げられることになる。
 この映画は岩淵弘樹が自ら撮影したドキュメンタリーなのだが、非正規労働者の社会問題を鋭く追求していくものではない。
 むしろ、テレビのニュースが描く「かわいそうな負け組の若者」のような上から目線のどこかバカにしたようなものではなく、当事者リアル目線で作っているのがポイント。
 どちらかというと岩淵弘樹を主人公にした青春映画で、自分のやりたいことと、現実との差に悩む普通の青年の話なのだ。
 一人ボケツッコミの映画なんかどうでもええわ~と思ったが、これが意外に面白い。
 ドキュメンタリー映画だと半分以上インタヴューで、フィックス撮影のため単調な場合が多い。
 もしくはカメラを振り回したりして気持ち悪くなることが多い(これがドキュメンタリーっぽいという勘違いの元なのだが…)。
 しかし、この映画はカメラが動きまくっているものの、酔わせるものではないし、画面にめりはりがある。
 それでいて、先の読めない展開!
 これこそ劇映画にはない、リアルな反応なんだろう。
 関テレやNHKの取材の裏側が面白く、結局どんな大義名分があろうともネタにされているだけなのだが、この映画はネタにしている彼らを逆にネタにしている痛快さがある。
 さらには、主人公にした対して、考えが甘いとか、金がないのに何故自炊せず弁当食ってるんだよ…ツッコミ所の要素もきちんとあって、大手レコード会社で働くに友人にそれを言わせているのもバランスが取れていて良い。
 思った以上に傑作な青春映画!
 「就職戦線異状なし」という映画を今観るとどこの星の話かと思うくらい時代の違いを感じるが、いつかこの映画もどこかの星の話に思えるくらいに景気回復してほしいと節に願う。(←うまくまとめたか?)

参加してます。よろしくで~す
   

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