「ノン子36歳 (家事手伝い)」
元売れないアイドルで、バツイチ、出戻りとダメダメ度の純度が高いヒロイン(36歳)の先の見えない人生を描く、お疲れ気味の人を全く元気にしない非サプリ映画。
とにかく、主人公以外にも見ていて痛い登場人物がわんさと出てくる。
特にノン子が心ほだされる年上の青年は凄い!
神社のお祭りでヒヨコを売って一儲けしようとしているのだが、カラーヒヨコではなく自然のままの状態で買ってほしいと言い出し、さらに全て雄で、あげくの果てに神社で出店の許可を取っていないが、当日責任者に土下座でもして頼めば義理人情に厚いので何とかなるとユルい考えを持っている。
世間知らずで一途と言えば聞こえはいいが、頭の悪い痛い奴なのである。
あと、どうしようもないノン子の元夫とか、痛々しくて香ばしい連中が沢山出てくるのだ。
一応、「映画芸術」のベストテン1位なのだけど、まあこれは「キネマ旬報」でもそうだけど、出版社の意志が働くので、軽く流さなくてはいけない。
この映画の見所はノン子を演じる坂井真紀(B80-W56-H86)の濡れ場だが、これが妙に生々しく、坂井の体が実際にあの年齢にいそうな感じだった。
あ~あの坂井真紀がなあ…と若くてかわいい時代(今も美人なんだからね!)を知っている世代には感無量なものがある。(坂井の胸が本当に「青春☆金属バット」くらい豊満であればなあとは言うまい。)
ヒヨコで一発当てるつもりがノン子と一発やってしまった年下のダメ男に星野源。
監督は「青春☆金属バット」でも坂井真紀と仕事をしたの熊切和嘉。
正直、観ていて痛々しいのだが、大人の<青春映画>としては不本意ながら共感してしまうのだ。
そういえば、女性は無職でも家事手伝いという便利な言葉があってうらやましい。
その点、男には適応する言葉がなく、一応、「自宅警備員」という言葉があるのだけど、履歴書に書けないからなあ。
もっとも家事手伝いには、家のみんなが寝ている間に料理したりポットにお湯を足したりガスレンジをきれいにしたりすることから「妖精」という言葉もあるらしいが…(よしながふみの「フラワー・オブ・ライフ」で初めて知った)。
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