「永遠のこどもたち」
「闇の子どもたち」と似たようなタイトルで混乱してしまう。
予告編を見ると、子供にしか見えないものがあるみたいな感じだったので、シックス・センスもしくはピーター・パン系かと思っていたのだが、観ていると実はホラーであることがわかってきた。
自分の場合、予告編はトイレタイムなので真剣に観ていないからなあ。
話は孤児院再建をしようとする女性が、突然姿を消した我が子を探すうちに、孤児院に潜む不気味な因縁を知るというもの。
心の準備をしていないことを差し引いても真剣怖かった。
特にソーシャルワーカーのおばさんのところは客席の半分以上が飛び上がっていたので、その怖さがわかるというもの。
もっといえば、町中で主人公がこのおばさんに会った時に発生する事態に驚くのに、さらに輪をかけて予想もしない展開には真剣心臓が止まるかと思った。
ところが、ラストは今まで張り巡らされていた伏線が一気に回収されてしまう。
ピーター・パンとウェンディの話を昇華し、ウェンディの視点を描いたのはうまいと思うし、「大人になってる」のセリフには泣けた。
巧妙に張り巡らされた伏線の、心臓が飛び出るくらいの恐怖から一転し、心に染みる展開!
このギャップの加減が絶妙であり、また人によって様々な解釈ができる余地もあるのも良い。
監督はこれが長編デヴューーのJ・A・バヨナ。
しかし、映画の雰囲気は製作のギレルモ・デル・トロの色が濃い。
間違いなくファンタジーとしての傑作だと思う。
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