「宮廷画家ゴヤは見た」
なんだ、この「家政婦は見た」みたいな邦題は~?…と思ったが映画を観てみると納得!
純真無垢で天使のような少女イネスと、異端審問を強硬するカトリック教会の神父ロレンソが話の中心で、ゴヤは正に「見た」というより見ているだけなのである。
ゴヤはイネスとロレンソの肖像画を描いており、映画は彼の目を通して2人の運命と時代の流れを描いている。
観る前にゴヤのことを下調べしたのだが、それ程意味はなかった。
しかし、映画はとてつもなく面白い!
全編心地よい緊迫感があってテンポが良く、語り口がうまい。
中でもイネスの父親とロレンソの駆け引きは物凄い緊迫感があった。
そもそも豚肉を嫌ったことからユダヤ教徒の疑いありという異端審問そのものが、ヤクザのような言い掛かりでしかなく、こんなものがまかり通っている時代は怖いとマジで思った。
監督は「アマデウス」や「カッコーの巣の上で」のミロス・フォアマン。
出演はロレンソ役にハビエル・バルデムとイネス役にナタリー・ポートマン。
ハビエル・バルデムは「ノーカントリー」の変な髪形の殺し屋のイメージが強いが、この映画でも人間臭い(俗っぽい)神父を演じている。
しかし、何よりも凄いのがナタリー・ポートマンで、牢に入った後のビフォー&アフターの変わりぷりが凄まじく、これはメイクのおかげもあるが彼女の気合の入った演技によるところは大きく、さらに二役も演じているのには驚いた!
あ、一応ゴヤはスカルスガルドが演じているのだけど、他の2人が濃いので影が薄い。
「アマデウス」位の長尺かと思いきや2時間もなく、それでいて内容が充実しているのが良い。
久しぶりにロールでない止めのエンドクレジットを観たよ。
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