「ホームレス中学生」
楽しくなるであろう夏休みの1日前に家が差し押さえられ、ホームレス生活をしなくてはならなくなった少年の話。
原作はお笑いコンビ、麒麟の田村裕のベストセラー自叙伝。
通はより優雅に略して「レスチュー」って言うらしい…って本当?
映画は情報量が多く、文章やお笑いのネタでうやむやになっていたり、頭の中で適当に補完していたものが映像や音となって現れてしまう。
そのため妙に生々しくなってしまい、また場合によっては現実味に欠けてしまう。
この映画は中学生のホームレス生活がメインではなく、それをきっかけに人情であったり、家族の在り方を描こうとしているはず。
実際、ホームレス生活もそんなに長い期間でもない。
ただ、やはり映画という妙に何でも目の前に出てくる生々しさが裏目に出てしまい、主人公のホームレス生活に現実味がない。
公園を住処にしているが、トイレがないため野糞をしなくてはならないとか、これだけコンビニが普及している時代にはちょっと現実味がないし、それ以前に他にトイレのありそうな公園や公共施設があるのではないか?
雨をシャワー代わりにしていたとしても、妙に小綺麗だし、腹が減ったから雑草やダンボールで飢えを凌ぐといっても、そこに至るまでの切羽詰まったものがない。
そのため、後半の人情話が全く生きなくなってしまっている。
もちろん、これはファンタジーだからリアリティを追求しても仕方ないのかもしれないが、この映画の話構造から考えるとそうも言ってられないのではないかと思う。
自分は未読なので原作がどうなっているかわからないが、映画は説明が足りないし、説明しなくても想像させる条件が少ない。
あと自分が昔、道路工事関係の仕事をしていたので、バイクが工事中のマンホールに突っ込むのは絶対にありえないんだけど…。
主演の田村裕役は小池徹平。
現実の田村を知っていると小池には違和感があるのだが、それ以前に22歳の小池が中学生というのもどうよ?…って考えていたら、高校生の姉ちゃん役が池脇千鶴(B80-W55-H85)なので、この映画が実はすっかりファンタジーであることはよくわかった。
池脇の年齢で女子高生はもはや風俗でしかないのだが、彼女の非ナイスバディー系のスタイルが実際の高校生にいそうなところや、彼女の演技が良いのでOK!
やっぱり彼女は裸になってはいかんな。
裸と言えば小池の風呂のシーンがやたらと長いのはファンサーヴィスなので、そっち方面の人はチェキ!
兄貴役の西野亮廣は、まああんな感じかな。
監督は「ロボコン」や「さよならみどりちゃん」の古厩智之。
正直、もっと面白くなりそうなのに惜しい映画なんだよなあ。
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「ホームレス中学生」★★☆
小池徹平 、西野亮廣 、池脇千鶴 主演
古厩智之 監督、2008年、116分
お笑いコンビ麒麟・田村裕のベストセラーを映画化。
中学2年生の田村裕は夏休みの前日、
学校から戻ると家賃滞納で団地に入れず、
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