「ICHI」
1989年、勝新太郎が自ら監督・主演で映画化された「座頭市」は、脚本がないやら、息子が本当に人を切って殺してしまったなどの話題が先行しており、どうせ大した映画はないだろうなあと思って観にいった。
しかし、映画は無茶苦茶面白く、年を取ったとはいえ勝新の動きはキレがあり、何よりも彼が映画をよくわかっている生粋の映画人だということがわかった。
北野武の「座頭市」は別の解釈をして面白かった。
かように過去の作品が凄すぎて、新作のハードルが高くなっている座頭市だが、設定を女に変えて綾瀬はるか(B88-W61-H91)主演で映画化!
そういえば、今年は綾瀬の出演映画が多いような気がする。
この後は「ハッピーフライト」か。
女だとどちらかといえば、めくらのお市かなと思いつつ、タイトルそのものが放送禁止だからダメか。
瞽女と呼ばれる盲目の女芸人・市は、幼い頃のトラウマが原因で刀を抜くことが出来ない侍と知り合う。
辿りついた宿場町では、二つの組織が抗争の真っ最中で、二人はそれに巻き込まれていく…というのが大筋。
座頭市の面白さは何といっても居合切りの凄さで、今回自分が期待しているのは、それだけである。
ところが、意外にもチャンバラシーンは少ない。
そして、スローモーションばかり。
う~ん、目が見えないから相手を瞬殺するのが見所なのだが、全てスローモーションというのは辛い。
話は結構間延びしていてテンポが悪い。
主演の綾瀬は設定の割りには小綺麗なのだが、まあここらへんは彼女のアイドル映画なので割切りが大切だ。
刀が抜けない侍の設定も、結構トホホでこの人のせいで相当数の人が死んでいるんだよね。
演じている大沢たかおはそれなりだが、やはり際立っているのは宿場を仕切る親分役の窪塚洋介だ。
ノンちゃん(誰?)との結婚以来目立たなくなったが、映画俳優としては面白い人だと思う。(賛否両論だと思うが)
一応ラスボス的な存在で、今やすっかり声優の仕事が板についている中村獅童。
彼を切るのは綾瀬ではなく竹内結子(B80-W60-H82)だと話題になるだろうなあ。
竹内といえば竹内力は出ているんだけどね。
監督は「ピンポン」の曽利文彦。
面白くなりそうな話なのに惜しい。
恋愛要素はなくてもいいから、もっと徹底的に切りまくってほしかったなあ。
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ICHI
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一応楽しめた。
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