「サラリーマン金太郎」
「将来は安田一平みたいになりたいですね」
「プレイボーイなんか読んでるんじゃねえぞ」
おそらく20年以上前に日本中の中学校の進路指導室で必ずあったと思われる先生と生徒の会話だ。
現在働き盛りの社会人男性は本宮ひろ志の「男一匹ガキ大将」か「さわやか万太郎」、「俺の空」を経て「サラリーマン金太郎」を読んでいると思う。
かくいう自分も「ヤンジャン」を買うのはやめたが、「サラ金」だけは何らかの形で読んでいた。
本宮漫画は昔からパターンが決まっていて腕っぷしが強くて仲間に慕われていて女にもてる奴が主人公で信じられない強運と喧嘩でどんどん成り上がっていく話が多い。
「サラ金」も主人公がサラリーマンになっただけでやっていることは変わらない
こんなことあるわけないよなあと思いつつも毎週読んでしまうのが本宮マジックだろう。
TVドラマ化したので自分も観たのだが、正直言って漫画では良くても実写化するとちょっと恥ずかしいものがある。
それでもTVの方は人気があったみたいで、特番もあったし映画化もその人気の表れだろう。
で、公開当時、劇場に行ったのだが自分を含めて観客が2人しかいなかった。
まあ平日の昼(←仕事しろよ)だから仕方ないとはいえ、ちょっと少なすぎる。
まさに貸し切り状態なのででかい態度で観た。
前半はそこそこな展開なのだが、後半のクライマックスである金太郎が昔の暴走族仲間を引き連れて殴り込みにいくところが本当は一番見せ場であるはずなのだが、ここから映画のテンションが落ちていく。
暴走シーンを編集で迫力を出そうとしているのだが、そこだけ画面が浮いてしまうのだ。
ところが最後の敵の事務所に乗り込むのは2人だけで、これなら最初から一人で行った方がいいんじゃないかと思えてくる。
集団で派手に行く理由はあまりない。
まあ見せ場だといえばそうなのだが、それなりの理由は欲しいところ。
ラストの皆が迎えてくれてヒーローになっているというのもなんだかなあという感じで、最後はいくら原作がそうだとはいえ完全に漫画である。
前半はそんなに嫌いじゃなかったので、後半もその雰囲気で走って欲しかったなあと思う。
う~ん、テレビの映画化って時間が経って思い出すと、結構恥ずかしいものがあるなあ。
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