「アメリカを売った男」
昔、プロレスに元ナチの親衛隊長という肩書のレスラーがいたらしいのだが、アメリカを売った男はそれを上回る規模の名前だ。
しかし、残念ながら(?)この映画はプロレスラーの話ではなく、2001年2月に20年以上にわたりソ連(ロシア)にアメリカの国家機密を漏らしていたとして逮捕されたFBI捜査官ロバート・ハンセンを映画化したものだ。
つまり、元ナチの親衛隊長といいつつも年齢が合わないレスラーの話ではなく、本当にアメリカの情報を売っている男の話なのだ。
物語はハンセンのもとに送り込まれた若き捜査官の目線で描かれている。
しかし、若さ故なのか元々の性格の問題なのか、彼は嘘をつくのが得意ではなく、かといって昇進はしたいし、一緒にいるうちにハンセンの人柄にひかれる時もあるしといった感じで、実はこの映画の最大の見所は心理戦にある。
基本的に歴史的真実があるので結末は決まっている。
そこに至るまで、当事者が何を考えていたのかが、この手の実話を題材にした作品の面白さだが、この映画は派手な銃撃戦(一応発砲シーンはある)や爆発はないものの、行き詰まる緊張感があって面白い。
出演ははクリス・クーパーとライアン・フィリップ。
特にクリス・クーパーはいい味を出しており、彼が最後捕まるところは哀愁が漂っていた。
しかし、まだ10年も経っていない2001年、それも国の恥みたいな事件をすぐに映画化できてしまうのが、アメリカ映画のフットワークの軽さだろう。
これが日本だったら、映画化は相当後になってしまうと思うのだが、これもお国柄の違いか。





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