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2007年10月20日 (土)

「Dolls」

1  自分が北野武の監督作品に求めるのは、緊迫感漂う雰囲気と暴力、そしてその間に出てくるにじみ出てくるようなおかしさである。
 もちろん、こういうことをいうと本当の北野武をわかっていないと言われそうである。
 正直、わからない。
 いやもっと言えば自分にとっての本当の北野武はビートたけしという毒舌で笑わせるお笑い芸人でしかない。
 今や世界の映画監督であり文化人となった彼こそが少し違うと感じてしまう。
 しかし、そうはいいながらも彼の監督としての力を見逃すわけにはいかない。
 初監督作品である「その男、凶暴につき」では荒削りながらも映画全体に妙な緊迫感があふれていたし、「あの夏、いちばん静かな海」では今までの毒舌では考えられないような真っ向勝負の恋愛映画を演出している。
 そしてヴェネチア映画祭でグランプリを獲得した「HANA-BI」はまさに最高傑作であり、近年の日本映画では大変珍しくワビサビが感じられる。
 おそらくヴェネチアでのグランプリはそこらへんの要因もあるのだろうと思う。
 なみに個人的に好きなのは「3-4X10月」で、あのいつ炸裂するか読み切れない暴力シーンと省略法による笑いが好きだった。
 さて「Dolls」である。
 結婚まで約束していて裏切られで自殺未遂を起こして頭がおかしくなった女と一緒にいる男の話、弁当作ってず~っと待っているおばさんの話や、事故で人気が落ちたアイドルを慕いつづけるファンの話がそれぞれ微妙に重なり合ってちょっとオムニバス的な展開である。
 北野監督が表現したいことはよくわかるのだが、この作品はやりたいことを優先しすぎている。
 もちろん万人受けするのが良い映画というわけでもない。
 ただ商業映画ゆえにそれなりの観客に対して説明と「媚び」が必要であるのだが、この映画に関してはそれが極端に少ないのである。
 言うなれば良い素材を揃えているが、料理がされていない状態と言えるだろう。
 はっきり言えば、もの凄く退屈な映画だと言うことである。
 例えるなら8ミリ映画全盛期の時に映像は凄いけど面白くないという作品があったが、まさにそれなのである。
 そういえば漫画家で極端に絵のうまい人というのは、漫画よりもイラストに走りがちだが、絵を描く北野武もまさに究極に極めていくと物語云々よりも「絵」になっていくのかもしれない。
 そしてタイトルの通り文楽人形をモチーフにしたところが、実はヴェネチアの夢再びではないけれど、外国人受けを狙ったのか?とうがった見方さえもしてしまう。
 もちろん、ツボの人もいると思うのだが、自分は正直妙に上映時間が長く感じたし、特に前半は観ていてかなり辛かったし、あのまま「つながり乞食」の話だけだったらかなりへこたれていたと思う。
 まあ自分は今仕事で荒んでいるから、社長令嬢との結婚話が来て、そこそこきれいな女性だったら、やっぱり結婚するな。
 自分が面白かったのは芸能人のファンの話である。
 自分もいい歳こいてモー娘。に入れ込んでいたことがあるのだが、いざコンサートににいくとあまりにも気合いの入ったファンがいて、自分はまだまだだなと思い知らされたりする。
 いくらなんでもミニモニ。のかっこうのまんまでコンサート会場に来る中年親父にはかなわない。
 だから、あの芸能人に入れあげる気持ちは大変よくわかる。
 しかし、入れあげる芸能人がうびつな体型の深田恭子(B80-W60-H88)というのも、この映画を全編貫く異常な愛情の一つであることを感じる。
 ヤクザの話は、顔の白塗り加減が近所にいる問題ありのおばさんを思わせるのでちょっとシャレにならなかったが、いるんだよね、どこにでもあの手の人。
 正直、全編こっ恥ずかしい話ばっかで、観ていて恥ずかしい。
 はっきり言うとこの素材では無理なんだよ。
 時々出てくるカットバックもあまり効果が出ていなくて、凄く説明的。
 あれに比べたら「あの夏、いちばん静かな海」のラストの回想シーンのフラッシュバックの方が絶対に効果的で成功していると思う。
 とにかく、人はどう思うか知らないけど、自分はこの素材は北野監督にはまだ早かったと思う。
 だって北野監督にはそこまでの映画を見せるテクニックはないんだから。
 この映画でちょっといいなと思ったのは管野美穂(B81-W57-H82)の歩き方で、あそこまで人形に徹しているのには感心した。

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