「なごり雪」
大林宣彦の監督作品ほど、面白いのと面白くないの明暗がきっちりわかれているのは珍しいだろう。
とにかくダメな作品はとことんダメなのである。
ところが、世の中には大林宣彦信者が多数いるので、迂闊な発言をするわけにはいかない。
ど~考えても駄作以外何物でもない「SADA」とか「漂流教室」を無理無理にいいとこ探して褒めているわけで大変だなあと思ってしまう。
自分は基本的に作品ごとに面白いかどうか判断するので、信者でもなんでもないのでつまらない時は例えそれが今まで大ヒットを飛ばしているスピルバーグでもつまらないと言い切ってしまう。
とは言いながらも今までの大林映画だと多くの人が言うように「さびしんぼう」や「時をかける少女」とかはそれなりに好きだったりする。
「ふたり」は映画よりもNHKで放送したドラマ版の方が絶対に良かったと思うのは自分だけか?(特に前編)
とにかく当たればもの凄く胸に響くので、大林映画は一応チェックしている。
それに大林映画と岩井俊二を語ると日本映画ファンの女の子と仲良くなれると、「ホットドッグプレス」に書いてあったしね。
ちなみに語ってもモテないのは鈴木則文だそうで、なるほど、確かに若い女の子が「ドカベン」の実写版なんか興味ないだろうしね。
じゃあ「ブラック・ジャック」の実写版である大林監督の「瞳の中の訪問者」はどうかというと、微妙なところで、やっぱりこういうのはその時代がものを言うのだろう。
なんか話が脱線しまくりなので「なごり雪」に戻す。
「なごり雪」といえばやっぱイルカ(B85 W65 H88)が歌っていたサラダ油のCMソングだなあと思っていた奴は中途半端に歳取りすぎ!
やっぱり「なごり雪」といえば伊勢正三でしょ。
ところがこの映画は、最初からギター弾きながら歌い出す伊勢正三のタイトルバックでスタート!
タイトルソングの歌手が顔出しをするのは、「007/ユア・アイズ・オンリー」のシーナ・イーストン以来の快挙といえばそうなのかもしれないが、いきなりそんあベタな展開はないだろう。
つうかここまでやって、尚かつ出演者が劇中で「なごり雪」の歌詞を台詞として使ってしまうところなど、あまりの徹底の仕方で驚いてしまう。
そこでふと思った。
これって新手の歌謡映画じゃないか?
歌謡映画というのはうちのおかんが若い時代好きだった映画のジャンルで、橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦とか、歌謡曲をモチーフにドラマを作るやつで、普通タイトルバックだけに使ったり、劇中にちょっと歌ったりすることが多く、テレビが普及していなかった時は結構重宝していたらしい。
これだけ映像が氾濫しまくっている時代に逆に新鮮な感じがした。
正直この映画はあまりにも予告編が臭くてベタなので、絶対に観たいという雰囲気がまるでわかない。
ところが前から言っているが、映画というのは観てみないとわからない。
思った以上に面白かったというのが本音だ。
おそらく賛否両論だと思うが、まるで棒読みのようなセリフも大変効果的で、例えば三浦友和が自分の心情をえんえんと語るところから、この映画が実は実は歌謡映画の形を取った「小説」であることがわかろうというものであろう。
主人公が東京の大学に行ったら新しい彼女ができたというのも実はよくある話で、自分の周りも遠距離恋愛で成功した奴は誰もいない。
やっぱり声が聞こえて触れる距離にいないと男女はダメだなあ。
特に学生時代。
あ~あの時メールや携帯があれば・・・…いや思うまい。
この映画で自分がいいなと思ったのは、駅で歩くシーンがスローモーションのところがあって、離れていく列車とのタイミングが絶妙なところで、最近スローモーションが多様されるが効果的であるものは少ないのだが、この映画はうまくやったと思う(自分もうる覚えなのでそんなシーンがなかったらゴメン)
大林宣彦といえば、女を撮らせたら日本一の監督と言われているが、残念ながら自分は現在女を撮らせたら一番は金子修介だと思っている。
とはいいながらもヒロイン役の須藤温子(B75 W59 H83)は素晴らしく、自分が主人公だったら絶対にこの娘と結婚すると思わせるものがある。
そして、大林宣彦と言えば、女を脱がせることでは五社英雄亡き今は日本一であることは言うまでもない。
そして、今回餌食になっているのは宝生舞(B82 W58 H84)で、ある。
正直、全然必然性のないヌードであることは言うまでもないし、あまり「実用性」のないものであるが、やっぱり一瞬でも裸があれば観にいくのは男の性だろう。
もっとも宝生舞の一番良かった映画はやっぱり「あした」じゃないっすか?
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