「300 <スリーハンドレッド>」
100万のペルシア大軍をわずか300人のスパルタ軍が迎え撃つという伝説的な史実を基にしたフランク・ミラーのグラフィック・ノベルを映画化。
スパルタは、正にその由来の通り、スパルタ教育で子供を戦士にするために教育をしている。
「ライオンは我が子を谷に落としてPTAで問題になっている」という今の時代からは想像ができないくらいである。
しかし、いくら何でも300人で100万人相手は無理なので「墨攻」みたいに知恵を絞って戦う話かと思いきや、そんな小細工はまるでなし。
真っ向勝負の力業なのには驚いた。
「男には、負けるとわかっていても、戦わなければいけない時がある。」という松本零士先生のキャプテン・ハーロックを地でいくような展開で、あまりにも採算性のない決定をしてしまうスパルタ王レオニダスは上司にしたくない男の上位に来てしまうことは間違いなし。
彼についてくる部下も「君のためなら死ねる」と叫んでいる「愛と誠」の岩清水君みたいな連中で、まあこんな上下関係だからOKなんだろうなあとしか思えない。
全編特攻精神丸出しであり、正にスパルタ版「俺は、君のためにこそ死ににゆく」である。
一応、彼らが不利な戦いをしなくてはいけない理由はあるのだが、この映画を観ている限り、納得できるものではない。
一応、レオニダスと妻の愛情も描いているのだが、どうでもいいというかなくてもかなわない。
何しろ見所はそれではなく、様式美にこだわった映像なのである。
正直、それしかないのである。
確かに凄いのだけど、メリハリがあるわけでないので途中で単調になってくるし、実は思った程戦いのシーンはない。
フランク・ミラーの「シン・シティ」は絵作りは面白いが映画としての流れがなかったので、あまり好きではなかったが、この映画はそれに比べると流れがあって良いと思う。
ただ、あまりにも気合の入り過ぎた映像に出演している人間さえも作り物臭くなっている。
登場人物ほぼ全員がマッチョな男ばかりなので、そっち系が好きな人は必見かもね。
個人的にはこの映像で「北斗の拳」が観たい。
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ここんとこ俺にしたら映画をよく見てるかな?
でも、今のところ見たい映画がないのでこれでしばらく打ち止めかも。
昨日見たのは「300(スリーハンドレッド)」。
紀元前480年。スパルタ王レオニダスのもとに、圧倒的な軍力を誇るペルシア帝国・クセルクセス王の遣いがやって来た。曰く、土地と水を差し出さなければ、国を滅ぼすという。しかしレオニダスは遣いを葬り去り、ペルシアと戦う道を選んだ。託宣師のお告げも無視し、テルモピュライでの決戦に挑むスパルタの精鋭たち。その数はたった300人。対するペルシア... [続きを読む]
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