「めぞん一刻」
今や大御所であり安定した人気の高橋留美子(実は知る人ぞ知る巨乳)だが、人気が異常だったのは1980年代であり、「うる星やつら」と「めぞん一刻」が連載時だった。
連載誌やコミックスはもちろん、彼女が表紙しか描いていない「劇画村塾」でさえも買っていた輩が自分の周りに多数いた。
「めぞん一刻」に関しては、下宿すると響子さんみたいな管理人さんがいると勘違いしている奴もいたくらいだ。
まあよく考えれば響子さんって結構いやな奴だったりするんだけどね。
連載開始はそれ程でもなかったが、後半あたりの絵のうまさは半端ではなく、また話も盛り上がりのピークに達し、響子さんの結婚が掲載された「ビッグコミックスピリッツ」は1人で3冊買う奴もいた。
これを聞くと「バッカじゃねえの」という若い人もおられようが、連載開始から読んでいた人にとっては、あまりにも長い連載期間でやっとここまで来たかという思いで感無量であり、響子さんの結婚は、まるで自分の娘を嫁にやるような気分であると同時に、五代君に感情移入すればやっと結婚できた喜びがある。
そんな「めぞん一刻」だがアニメ化は「うる星やつら」の後だろうなあと思っていたが、それは正解だったが、問題は誰が声優をやるかで、特に響子さんの声が議論された。
結局、当時ナウシカやクラリスの声でお馴染み島本須美(B74-W59-H77)だったので、それ程文句が出なかった。
当時、島本須美は絶対的な存在だったからだ。
自分はアニメの方は途中で観るのをやめてしまった。
と、いうのも、今更最初から見せられても新鮮さがないし、当時のアニメは普通の日常ドラマ作りという点においては、それ程技量がなかったのだ。
「うる星やつら」程アニメ独自の面白さもなかったし、当時のアニメ技術では高橋留美子の絵柄を完全再現できなかったのも理由の一つだ。
アニメは映画化もしており、「めぞん一刻 完結篇」がそれだが、完結というより番外編的な存在で、ファン大会のノリで楽しむようは話展開だった。
そして、マニアにはもう一つ議論するものがあった。
それは実写化だ。
「めぞん一刻」を実写化した時に誰が響子さんを演じるのか?
おそらく当時ネットがあったら物凄く盛り上がるだろうが、当時はこのネタで2時間近く喫茶店で話していた覚えがある。
結局「響子さんは絶対的な存在であり、誰も演じることはできない」というお決まりのパターンで終わってしまうのだ(笑)
ところが東宝で映画化されてしまい、響子さんは石原真理子(B84-W58-H84)が演じている。
話は原作そっちのけで、賛否両論というよりファンの間では否定的であり、唯一、四谷さんを演じた伊武雅刀だけがハマリ役だった。
そして、今回、「めぞん一刻」がドラマ化されるという。
連続ではなく単発のドラマスペシャルらしい。
ここでまたもや、キャスティングが気になるのだが、これで盛り上がっているのは30代以上で、若い連中はあまり気にしていないようだ。
そんなわけで、気になる響子さんだが、伊東美咲(B83-W58-H87)が演じており、演技力がないことを差し引けばまあOKかなあ。
それよりも20世紀最後のアイドルと言われた高橋由美子(B82-W56-H82)が朱美さんの役というのは意外で、ちょっと昔ならそんなスレた役なんかやらない。
下着姿を披露してくれるのはいいが、腹がダブついているのは・・・・・・知りたくなかった。
ロバート・デ・ニーロのような役作りだと思いたい。
一の瀬さんが岸本加代子(B80W-62-H87)というのは、彼女が意外に身長が低いので適役。
四谷さんは岸部一徳は本来ならハマリ役なのだが、伊武雅刀が強烈すぎるのでちょっと辛い。
それにちょっと老けすぎかな。
五代君は新人が演じているのだが微妙。
犬の惣一郎さんは妙に美犬。
話は現在に時代設定を変えるのかなと思ったが、五代君の回想形式で1983年を振り返るというもの。
これは正解で、当時の時代背景が反映されている話なので、今の時代にすると成り立たない話が多いからだ。
結局、五代君が大学合格までをドラマ化。
妙に展開が遅くメリハリがないのも困りもの。
最後に無理無理、三鷹さんやこずえちゃんを出しているが、全く意味なし。
基本がラブコメなので、漫画を忠実に映画化すると「月曜ドラマランド」になってしまう。
このドラマもその一歩手前の箇所もあり、だからこそ映像化するためには、それなりの演出が必要なのだが、今回はあまり成功していないと思う。
それ以前に何も始まっていない中途半端な話で終わってしまった。
所詮2時間で全部収めるのは無理なんだけど、それならそれで、もう少し工夫が必要である。
この終わり方だと続編もあるんだろうなあ。
視聴率次第というところか?
最後にDVDの発売告知があったが、これじゃあ放送した本編は2時間以上かけたDVDのCMだよ。
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