「ロボコン」
東宝のラインナップで「ロボコン」の文字を見た時に、今更「がんばれ!ロボコン」の映画化でもないだろうと真剣思っていた。
確かに日本映画は時々とんでもない映画化をして、皆を混乱させているのでそう思っても仕方ないだろう。
つ~かある程度の年齢から上はロボコンといえばデンデンガンガンホイデンガンのロボコン(わからない人はお父さんに歌ってもらいましょう)だと思ってしまうのもやむなしだろう。
この映画のロボコンというのはロボット・コンテストの略だそうで、その世界ではロボコンといえばこっちを指すらしい。
映画はロボコンで優勝を狙う高専の生徒の物語だ。
長澤まさみ(B73-W54-H77←撮影当時)扮する女子高生が一ヶ月の居残り授業の代わりにロボット部に入ってロボコンに出場するというもの。
いわゆる「がんばれ!ベアーズ」系のスポ根が理系版なのである。
最初はいやいやながら入部した彼女は、どんどん勝ちたい気持ちが強くなってきて落ちこぼれ部員と喧嘩しながらも最後は団結して優勝に向かって頑張るといった定番の展開である。
正直、自分は最初この映画についていけなかった。
何しろ主人公は1ヶ月の居残り授業がいやで入ってきているわけで、他の部員以上にやる気がないわけである。
しかし、彼女は地方選の1回戦負けで「くやしくないの?」と言っているわけだが、映画はそこに至るまでの心理状態が全く描けていなくて、随分とはしょりすぎている。
実は前半で描かれる登場人物のキャラクターは中途半端で筋が通ってないのが気になっていた。
ところが後半あたりになると、俄然映画は面白くなってくる。
前半の登場人物を煮え切らない奴らにして、後半、どんどん熱い奴らになっていくという監督の作戦にはまってしまう。
古厩智之監督のゆるい演出が生きてくるのである。
正直、試合のシーンなんか引きの長回しで迫力なんかないのだが、これは演出としては正解で、会場の客の視線で見るのが正しい。
しかし、何といってもこの映画の最大のポイントは長澤まさみで、彼女がいなかったらかなりつまらない映画にことは言うまでもない。
それくらい彼女の魅力的なのである。
唯一、主人公の死んだ母親の遺影が場合によって喜んだりしている写真に変わっているという演出はくだらないし、雰囲気を壊すのでやめてほしかった。
その演出だけ思いっきり映画で浮いていた。
後で知ったことだが、新旧東宝シンデレラを共演させるために死んだ母親の遺影で水野真紀(B81-W61-H85)をむりやり登場させたという話だが(本当か?)、もっと他に方法あるんじゃないの?
改めて考えるとこの映画はやはり前半が惜しい。
後半の面白さが前半にあればかなりの傑作になったと思う。
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