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2007年1月 6日 (土)

「逆境ナイン」

Gyao  今もそうかもしれないが、昔は漫画を読むとバカになるとか、子供の読み物だとか言われていた。
 しかし、漫画の凄いところは、どんな世代にも、相当低い理解力でも短時間で内容を把握させるところであり、これは文学では無理なことである。
 日本の漫画はビジネスとしても表現方法としても世界一であり、例えばビジネス面から考えると、毎週物凄い種類の分厚い漫画雑誌がきちんと発売されているのはある意味異常であるが逆に産業として成り立っているのは注目すべきものだし、表現方法も説明しなくても読む側がコマの流れや漫符を理解ができてしまうのは、ある意味表現方法としては究極である。
 そして、漫画を映画化するには表現の変換が必要である。
 これが難しく、うまくできないとイメージと違うとか漫画の方が遥かに面白いとか好き勝手に言われてしまう。
 しかし、ここ最近は逆に原作の漫画の悪いところを修正し、更に昇華してしまう場合もある。
 これは正に理想的な形であるが、数は大変少ない。
 漫画でも特にギャグ漫画の場合の映画化は難しく実写化は至難の技である。
 何しろ漫画のキャラクターはアニメ化はそれ程違和感はなくなったが、実写だと必ず越えられない壁が存在するわけで、無理やり似せようとすると「押忍!空手部」や「嗚呼!花の応援団」の主人公のように薄ら寒いものを感じるのだ。
 そしてキャラクター以上にギャグが上滑りしていくことが多く、例えば漫符を工夫もせずに映像化するとかなり痛いものになってしまうのだ。
 しかし、昨今はCGの発達のおかげで、漫画やアニメの微妙な表現が実写でも違和感なく可能になり、さらに演出や脚本も原作の内容を分析して、さらに昇華している作品もある。(もちろん、相変わらずダメな作品もあることは確かだ)
 島本和彦の漫画は<無駄に熱い漫画>であり、熱い中にギャグが盛り込まれているので、そのギャップにより更に面白さが増している。
 彼の漫画を実写化するのは大変難しく、それは昔「サルでも描ける漫画教室」で麻雀漫画のパイがコマの上から出てくるところを実写化するには、「スター・ウォーズ」のインペリアル・クルーザーが登場するオープニングの撮影と同じくらいの技術を要するとか書いてあったが、それと同じくらいの技術がいるのである。
 「逆境ナイン」の映画化はとてつもなく無謀だと思われた。
 まあギャグ漫画故に適当にお茶らけで作って<脱力系>と言って逃げる方法もある。
 しかし、島本和彦の漫画の映画化はそういうわけにはいかんのだ~。
 ちなみに<脱力系>ってギャグが上滑りしていても大丈夫な便利な言葉だよなあ。
 結果として「逆境ナイン」は意外に面白く、島本和彦の漫画でお馴染みの熱いキャラを玉山鉄二が見事演じきっており、原作のバカバカしいギャグを大真面目にやっているという状況をCGなどを駆使してうまく映像化していると思う。
 何の脈絡もなく最後まで存在するモノリスもシュールで笑えるが、自分が一番笑ったのはやっぱり「透明ランナー」だ。
 これを言葉でなく、きちんと文字で見せることが凄い。
 そんなものTVとかだったら珍しくないだろうと言われそうだが、実はこれが漫画の映像化で最も難しい描き文字の映像化なのである。
 そして、普通のテロップと違い、描き文字となっているのは、文字の出し方が絶妙なタイミングであり、その後のツッコミも含めて完成しているからで、これは見事というしかない。(考えすぎか?) 
 しかし、全体的に完璧かというとそういうわけでもなくて、時々テンポが悪くなるところもあるし、監督登場のシーンはギャグとしてはちょっと厳しい。
 それに監督の<名言>がCG化するところはちょっとやりすぎな感じがする。
 まあ、ここらへんは微妙なところなのだが、これこそ「それはそれ、これはこれ」であろう。
 出演者は、少し心配していた田中直樹も思った以上に良い味を出していた。
 ヒロイン役の堀北真希(B82-60-H85)は、当時フジカラーのCMに出ているくらいしか認識がなかったのだが、この映画を観たら無茶苦茶かわいいことを認識した。
 自分は公開当時、初日に劇場に行ったのだが意外に人が少なく、実は興行的にも逆境だったのか~?
 
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校長(藤岡弘)、監督(田中直樹)、キャプテン(玉川鉄二)、マネージャー(堀北真希)等が織りなすギャグ漫画の映画化だ。3週目となったこの映画、アミューズCQNのシアター3という狭い映画館だが満員の盛況で至る所で笑い声が聞こえてきた、・・・が、大体は思ったとおりに展開していたのでザ... [続きを読む]

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